辛勝もツールへ弾みの「ログリッチ劇場」 “最終日男”ヨルゲンソンは不運続くヴィスマの救世主になるか【Cycle*2024 クリテリウム・デュ・ドーフィネ:レビュー】
「彼はゲラント・トーマスのようなタイプだよね。長身で、上りに強く、TTも得意。それでいて平坦の走りも巧いから、ステージレースからクラシックレースまで万能に走れる。ドーフィネからツールまでの期間が、彼のキャリアを決定づけることになるかもしれない。良い感覚を維持して、本能のままに走ってほしい」(イスラエル・プレミアテック DS:ダリル・インピー氏)
今大会のポイントとされた第4ステージ、34.4km個人タイムトライアルはレムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ)が復活勝利。4月のイツリア・バスクカントリーで鎖骨と肩甲骨を骨折し、3週間バイクから離れながら、わずか1カ月のトレーニングでコンディションを戻してきた。怪我によってTTポジションの崩れが気がかりだったといい、その調整の意味合いもあった今回だったが、最高の結果で不安は解消。ベストコンディションではなかったこともあり個人総合では7位だったが、ツール本番に向けては心配していないという。 「体調は85%といったところ。それでもステージ1勝できて、山岳でも良いところまではライバルについていけた。この後は少し休んで、ツールに向けて調整するよ」(エヴェネプール)
大会前は初日に続くスプリントチャンスと目されていた第5ステージは、残り20km地点で発生した大規模クラッシュによってレース途中で中止。この日は断続的に雨が降り、ところどころで落車が発生していた。そんな流れの中で起きた大クラッシュに30人ほどが巻き込まれ、前述の通りクライスヴァイクとファンバーレがその場でリタイア。個人総合争いに加わっていたフアン・アユソ(UAEチームエミレーツ)は翌日に出走を取りやめ、ログリッチやレムコも軽いながらも傷を負った。しばしの中断後、レース随行の医療スタッフが不足したことにより中止が決定。プロトンはニュートラル走行でフィニッシュ地に到達している。
【関連記事】
- 参戦ライダーの顔触れはもはや「ツール・ド・フランス」 前哨戦ドーフィネでひと足早くログリッチvs.レムコの対戦が実現!【Cycle*2024 クリテリウム・デュ・ドーフィネ:プレビュー】
- 【ジロ・デ・イタリア2024 レースレポート:第21ステージ】ポガチャルが独占した3週間が、華やかに幕を下ろす。「ファンタスティックなジロだった。すべてが素晴らしい経験だった」
- 【速報 ジロ・デ・イタリア2024】第107回大会はポガチャルが総合優勝、メルリール区間3勝目/第21ステージ
- 【ジロ・デ・イタリア2024 レースレポート:第20ステージ】ポガチャル6勝目で有終の美。ツールに向け最終準備も完了。「ジロを良い気分で、良い脚で、良い体調で終えられた」
- 【速報 ジロ・デ・イタリア2024】圧倒的強さのポガチャル、区間6勝目、総合タイムは9分56秒差、山岳賞は64ポイント差/第20ステージ