辛勝もツールへ弾みの「ログリッチ劇場」 “最終日男”ヨルゲンソンは不運続くヴィスマの救世主になるか【Cycle*2024 クリテリウム・デュ・ドーフィネ:レビュー】
改めて今大会を振り返ると、日替わりでヒーローが生まれると同時に、マイヨ・ジョーヌの持ち主も日々替わっていたことが挙げられる。 実質唯一の平坦カテゴリーだった第1ステージは、マッズ・ピーダスン(リドル・トレック)が勝利。リーダーの座は1日で降りたが、その後はアシストとしても貢献。自身のスプリントだけでなく、総合成績も見据えるチームの一員としてツールでもフル回転する。
「ステージ1勝できたので個人的には満点。チームとしてはもう少し細かいところを詰めていく必要があるけど、まだ時間があるから心配はしていない。ツールの目標? マイヨ・ジョーヌを着ることだね。昨年はパリ~ニースで、今年はドーフィネで着用できたので、次はツールだと思っているんだ」(ピーダスン)
コル・ド・ラ・ロッジュの頂上にフィニッシュした第2ステージは、濃霧を切り裂いてマグナス・コルト(ウノエックスモビリティ)が勝利。今季からノルウェー籍のチームで走る北欧の雄は「チームが変わったってやることは一緒だよ」との言葉通り、この大会では上りスプリントや逃げで魅せた。
ボーラ・ハンスグローエやイネオス・グレナディアーズが終盤の主導権を握った第3ステージでは、両チームの間隙を縫ってデレク・ジー(イスラエル・プレミアテック)がアタック。ロマン・グレゴワール(グルパマ・エフデジ)だけが反応でき、2人でリードを広げるともう一段ギアを上げたジーがトップでコート・デ・ゼスターブルの頂上へ。これまであと一歩のところで勝利を逃し続けていた“セカンドコレクター”が、フィアンセの見守る前で会心のステージ優勝。 ジーはここで得たマイヨ・ジョーヌこそ翌日に手放したものの、最後まで総合戦線に踏みとどまり、個人総合3位の殊勲。アルプス3連戦でも再三のアタックで見せ場を作り、総合エースとしての資質を披露した。デビューが決まっているツールへ、首脳陣も大きな期待を寄せている。
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