井上あずみ「40周年記念コンサート開演直前に脳出血で倒れて。緊急手術から1年が経ち、家族と一緒にリハビリ中。病気の前より夫婦仲は深まって」
◆厳しいリハビリ リハビリ病院に移ってからはひたすらリハビリの日々。コロナの影響で外出も許可されず、家族の面会も時間制限があるなどの制約が多かったが、ようやく今年の2月に退院。半年ぶりに自宅に戻った。 井上 退院してみたら、家族が厳しすぎて病院がなつかしい! 病院のほうがゆっくりできたんです。(笑) 今尾 うちは、僕も娘もびしびし厳しくリハビリ指導しています。病院では、トイレの前まで看護師さんが車椅子で連れていってくれたけど、家では歩いてもらう!(笑) もちろん退院に際しては、いろいろなところに手すりをつけるなど、準備しておいたので、なんとかできるはずなんです。 井上 実は、早く治りたくて、病院ではリハビリをもっとやりたいと思っていたんだけど、病院ってスケジュールが決まってますよね。自分で腹筋運動をしていたら「やめてください!」って止められちゃう。病院としてはなにかあったら責任もあるし…。だから退院したら、がんばろうとは思っていたのですが、二人があまりにも厳しい…(笑)。ずっと動かしていなかった筋肉を動かすのはとっても痛いんです。 でも私は歌を歌うのが好きなんだなあと、つくづく感じました。侑夕のボイストレーニングも厳しいけど楽しい。ずっと歌っていたいんです。今、デイサービスにも通っているのですが、ピアノに合わせて私が歌うとみんなが喜んでくれるのが、とてもうれしいです。 今尾 実は昨年の秋に初めて歌を歌っているのを聞いたとき、愕然としたんです。音はとれないし、リズムも悪い。これはやばいなあと思いました。それであずみ自身の歌を流して、それに合わせて歌うところから始めたんですが、よくここまで回復してきたと感心します。 今は、加圧トレーニング、水泳、エクソソームなどなど、いいと言われることはすべてチャレンジしています!
◆これからも二人三脚で 自分は運が悪いと公言していた井上あずみさん。しかし、夫運はとてもよかったのではないだろうか。お二人は、病気を通して夫婦のきずなは確実に深まったと声を揃える。 井上 もう今尾くんには感謝しかないです。いつもありがとうって思ってます。もともとお料理も上手かったけれど、今はすべてのことをなんでもやってもらって、なおかつ仕事や私の世話もこなしてる。 結婚って、好き好きって言ってるだけじゃすまないんですよね。病気をしてからは、私の最低のところ、汚いところも全部世話をしてもらってますから。結婚していてよかった、今尾くんでよかった!と心から思っています。 今尾 僕たちは病気の前より格段に仲良くなってますね。だってね、還暦間近で、毎日一緒にお風呂に入る夫婦なんていないでしょ?(笑) 今までも一緒にいることは多かったけれど、とにかく四六時中一緒ですから。感謝は、歌で返してくれと言いたい!(笑) 今年11月16日(土)、川崎市洗足学園前田ホールで「アニソン文化祭2024」が開催される。出演は、堀江美都子さん、松本梨香さん、ドリーミング、谷本貴義さん。井上あずみさんの復帰を願うアニソン界の仲間たちが集結して、昭和、平成、令和3代で楽しめるアニソンが披露されるという。ここで井上あずみさんは総合司会を務める。実質の復帰コンサートに向けて、家族の協力のもと、ますますリハビリに励む井上あずみさん。同じ病気を経験した方々にとっても、前を向いて努力を続ける彼女の姿は励みになることは間違いない。 (構成=吉田明美)
井上あずみ,今尾公祐
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