井上あずみ「40周年記念コンサート開演直前に脳出血で倒れて。緊急手術から1年が経ち、家族と一緒にリハビリ中。病気の前より夫婦仲は深まって」
◆祈りが届いた緊急手術 倒れてから40分後に病院に到着。右脳に7cmもの血だまりが見られ、すぐに緊急手術が行われた。そして意図的に昏睡状態においたため3日間はまったく意識がなかったという。 今尾 手術中はとにかく命だけは助かってくれ、と願ってましたね。麻痺が残るとか、このあとどうなる、なんて完全に二の次。とはいえコンサートの中止に際しての連絡や、近々のスケジュールの変更など、ずっと電話をかけ続けていました。本当にあとは幕が開くだけ、というタイミングでしたから、会場にはたくさんお客さんも集まってくれていた。スタッフ全員、あんなに大変だったことはなかったかもしれません。 井上 私としては、二次会までが私のコンサートだと思っているので、打ち上げの会場も借りて、衣装もちゃんと決めてたし、トークも考えていた。絶対に成功させたいという気持ちはとても強かったんです。本当にたくさんの方にご迷惑をかけちゃいました。 今尾 手術が無事に終わり、意図的に3日間昏睡状態に置かれたあとICUにしばらくいて、その後一般の病棟に移ってから少しずつ意識も戻ってきましたが、当初は夢とうつつの間をいったりきたりしていたようでした。沖縄にいると思っていることもあったりね。 井上 いろんな夢を見ました。「おにいちゃん」と呼んでいる肝細胞がんで亡くなったヘビーメタルバンド「ラウドネス」のドラマー樋口宗孝さんが、白い龍になって「こっちに来るな」と合図を送ってきたり…。 「この子は歌を歌うために生まれたてきたので、絶対に治してください!」って誰かが叫んでいる夢も見ました。 今尾 それは現実に手術前にあずみの親友が実際にがそう叫んでいたのが聴こえてたんだよ。(笑)
◆ずっと血圧が高かった 今回の脳出血に見舞われるまでに前兆らしきものはなかったのだろうか? 井上 頭が痛いとか重いといった症状としての前兆らしきものは何もなかったのですが、今にして思えば、思い当たることはあります。というのは、私はずっと血圧が高かったんです。家系なんですね。それで毎日、血圧を下げる薬を飲んでいるのですが、この薬、飲むと少し頭がぼーっとするんです。それで大事なコンサートのときは勝手に飲むのをやめちゃってたんです。この日も飲んでいなかった。それがいけなかったですよね。しかも、前日はほとんど寝ていないし…。 今尾 今回のコンサートのために、あずみの母や妹を含めて親族があずみの故郷の金沢から前日に来てくれていたのですが、前夜にみんなで食事に行ったときに、あれだけお酒が好きなあずみが一滴も口をつけなかった。母からも「ちょっとぐらい飲んじゃえばいいのに!」なんて言われていたのにね。 井上 飲んでいれば寝られたかもしれないけど、一滴も飲んでないから寝られないまま朝を迎えてしまって、それもよくなかったんですよね。 血圧が高い方は、処方されたお薬はちゃんと飲みましょうと言いたいです。
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