過去最大115.5兆円 社会保障38兆円超、防衛、国債費も膨張 石破政権で初、来年度予算案決定
政府は27日午前の臨時閣議で2025年度予算案を決定した。 一般会計総額は115兆5415億円と2年ぶりに過去最大を更新。社会保障費が38兆円超と過去最大となり、防衛費、国債費も最大規模に膨らんだのが主因で、3年連続で110兆円を超えた。新型コロナウイルス禍で拡大した予算規模の「平時化」には程遠い。 石破政権による当初予算の編成は初めて。政府は予算案を年明けの通常国会に提出するが、少数与党下で年度内成立に向けた展望は描けておらず、今後の与野党協議で増額修正を迫られる可能性もある。 加藤勝信財務相は同日の閣議後記者会見で「経済物価動向などに配慮しつつ、これまでの歳出改革努力を継続する中で重要な施策に重点化をした」と語り、経済再生と財政健全化の両立に配慮したとの認識を示した。 歳出の3割を占める社会保障関係費は過去最大の38兆2778億円。薬価の引き下げや高額療養費制度の見直しを進めて経費を抑制するが、少子化対策や高齢化の進展が影響し、24年度当初比1.5%増となる。厳しさを増す安全保障環境を受け、防衛関係費は9.5%増の8兆6691億円と最大を更新する。 借金である国債の償還や利払いに充てる国債費も4.5%増の28兆2179億円と5年連続で過去最大となる。日銀の利上げに伴う長期金利の上昇基調を反映し、利払い費の算出に使う想定金利を24年度の1.9%から2.0%へ見直したためだ。