円安で物価が上がっているというけれど、「円高」「円安」ってそもそもなに?
日本銀行が毎月発表している企業物価指数によると、2023年12月速報値の輸入物価指数は2020年平均を100とした指数は、円ベースで162.0となっています。 これは、輸入品の値段が上がるということですが、この基となっているのは為替です。今回は為替について見ていきます。
為替とは
為替、特に冒頭の輸出入等の場合でいう為替とは、外国為替に関することです。製品の輸出入や海外の有価証券や不動産への投資等の取引を行う場合、その取引に対して、どの国の通貨で取引をするかを決め、自国通貨でなければ相手先の国の通貨あるいは、第三国の通貨に交換する必要があります。 その際の通貨を交換するための市場が外国為替市場で、その通貨の交換レートを外国為替相場といいます。
市場はいつどこで取引されているの? 誰がどのような通貨を取引しているの?
市場は世界中どこかで24時間取引が行われています。主に取引される市場は、ロンドン、ニューヨーク、シンガポール、東京ですが、それ以外にもウエリントンやシドニー、ドバイ等もあります。 市場への参加者は銀行等の金融機関だけでなく、一般企業や個人も参加しています。そのうち、金融機関間の取引が行われる市場を「インターバンク市場(銀行間取引市場)」といい、銀行と一般企業や個人との取引が行われる市場を「対顧客市場」といいます。 1日当たりの取引額は約7兆5000億ドルで、取引される通貨別のシェアは米ドル、ユーロ、日本円、イギリスポンドの順になっています。
円高・円安とは
円高とは、円の他の通貨に対する相対的価値が強くなった状態をさします。逆に、円安とは、円の他通貨に対する相対的価値が弱くなった状態をさします。 例えば、日本人が海外旅行に行く際、手元にある10万円をドルに両替する場合を見てみましょう。 為替相場が1ドル=100円であれば、10万円÷100=1000ドルと交換します。 為替相場が1ドル=80円になれば10万円÷80=1250ドルと交換することになり、海外で使えるお金の価値が上がったことになります(円高)。 逆に、為替相場が1ドル=125円になれば10万円÷125=800ドルとなり、同じ日本円で10万円でも海外で使えるお金が減ることになります(円安)。