円安で物価が上がっているというけれど、「円高」「円安」ってそもそもなに?
なぜ円高になったり円安になったりするの?
通貨は他の財やサービスと同様、需要と供給の関係で値動きがあります。つまり、円の需要が大きければ円高になり、需要が少なければ円安になります。その需給バランスに影響を及ぼすのは、主に下記の3つです。 1.金利 例えば日本とアメリカの金利を比較した場合、日本の金利が高い場合は金利の高い日本円をほしいと思う人が多くなるので円高になります。逆にアメリカの金利が高い場合は円安になります。 2.物価 物の値段(物価)が上がる(インフレになる)と、その分企業活動や生活により多くのお金が必要となるので通貨の価値が下がります。逆に物の値段が下がる(デフレになる)と、お金の価値は上がります。インフレになると円安、デフレになると円高になります。 3.貿易収支 貿易収支は、輸出額と輸入額で求められます。輸出額>輸入額であれば貿易黒字、輸出額<輸入額であれば貿易赤字です。貿易赤字の場合、自国通貨を外貨に換えますので、その分外貨の需要が増え円安になります。逆に貿易黒字なら円高ということになります。
円高(円安)のメリット・デメリットは
円高になると、海外製品の購入や海外旅行等の際に手に入れることができるものが増えるというメリットがあります。個人の買い物や海外旅行であれば数万円程度のメリットになりますが、これが企業買収等であれば数億円単位の違いが出てきます。 逆にデメリットとしては、海外での日本製品の価格の上昇による競争力低下、訪日観光客の日本国内でのお金の利用額減などが考えられます。そして円安のメリットはその逆です。
円安で物価が上がるのは
円安で物価が上がる理由は、輸入品の価格(輸入物価)の上昇です。特に日本は、食料や原油や鉄鉱石のような多くの原材料の輸入に頼っていますので、どうしても物価の上昇は為替の影響(円安)を受けてしまいます。
まとめ
毎日のニュースで物価が上がっていることはなんとなく体感している方も多いかと思いますが、貿易立国である日本では国内要因だけでなく、為替の影響も大きいことが見て取れます。為替の動向を知ることによって、物価がこの先どうなるのかを予想することができるかもしれませんね。 出典 日本銀行 ホームページ 執筆者:田久保誠 田久保誠行政書士事務所代表
ファイナンシャルフィールド編集部