「好きなことで失敗しても糧になる」親の言葉に背中押され来年30周年「Candy Stripper」板橋よしえ(49)母になり「自分が着たい服がないと気づいて」
大事にしているのは、自分がどうしたいのか、という気持ちに常に向き合い続けることと、多面的に想像すること。 ── お子さんと過ごす時間は、どのようにしていますか? 板橋さん:娘が話を聞いてほしいというときは、ちゃんと目を見て話を聞いてあげたいと思っています。いつもそうできるかというと難しいこともありますが、極力、何かしているときは手を止め、その時々の娘の気持ちを理解できる存在でありたいです。 ── ご自分の時間がかなり少ないのではないかと思いますが、ストレスはどのように発散されていますか?
板橋さん:娘と過ごす時間自体がストレス発散になっていますね。日々の仕事の時間は大人と過ごしているわけですが、そんな1日の終わりに娘と話していると、その言葉を聞いているだけで「なんて純粋でかわいいの!」って感動するんです。まっすぐで子どもらしい言葉が聞けたときに、心が洗われるというか、「そうだよね」って癒やされますね。
■大人の女性にも好きな服を着てほしい ── 子どもが生まれると、親は自分のファッションを後回しにしがちです。板橋さんの場合はいかがでしたか?
板橋さん:出産してから数年間は、今までのようなおしゃれをする機会が減って、授乳しやすい服だったり、公園遊びのときに動きやすい服だったり、抱っこしていても転ばないよう控えめな厚底靴にしたり、色も黒ばかり着るようになりました。 乳児のときは、抱っこしていたら服のあちこちによだれがついていたり、幼児のときは、いつのまにか固まった米粒がついていたり、子どもと一緒にいると、気をつけていても必ず汚れちゃうので(笑)どんなにかわいい格好をしていようとも、いつなんどき汚れても平気になりました。
年齢を重ねるにつれて、好きなものは変わらなくても、似合うものが変わってきてしまうと感じることも。でも「いつまでも自分らしく洋服を楽しみたい!」と考えたときに、世の中に自分が着たいと思えるお洋服が少ないのかも…と感じることもあり、あらためて、年齢を重ねた自分も着たいと思えるお洋服を作っていきたいと思いました。 ── ブランドが成長していくとともに、ご自身が着たい服にも変化があったのですね。 板橋さん:ポップなお洋服も少しとんがったストリートなお洋服もずっと大好きで作り続けたい世界です。ただ、40代になり、ライフスタイルも変化して新しい価値観が加わって。そんな今の自分も着たいと思える、大人なガーリー服やシチュエーションで楽しめるような遊び心のある服など、新たに表現したいスタイルや世界がまだまだたくさんあります。これからもわくわくした気持ちとともに作り続けていきたいです。