「好きなことで失敗しても糧になる」親の言葉に背中押され来年30周年「Candy Stripper」板橋よしえ(49)母になり「自分が着たい服がないと気づいて」
──「Candy Stripper」の服は、芸人や女優、ミュージシャンなど、男女問わず幅広い層に支持されています。なぜだと思いますか? 板橋さん:なぜなのでしょう…逆に私が教えていただきたいほどです(笑)。ただ「女性だけが身につけるもの」とか「若い女の子だけが着るもの」といったルールを意識して作ったことはなくて。むしろ、いろんな人が着て楽しめるような服でありたいんです。たとえば、同じ服でも、着る方の雰囲気やコーディネートによって、全然違った服のように見えてくる。ビジュアルやSNSなどで、いろいろな側面から服の魅力が伝わるよう、提案をし続けていきたいですね。
── ブランドコンセプトとして「NO RULE, NO GENRE, NO AGE」を掲げていますね。 板橋さん:年齢を気にして、年相応の格好をするのではなく、好きなものは好き、と自分を貫いてほしいと思っています。こうあるべき、という固定観念から解き放たれたファッションを提案し続けていきたいです。 ── ブランドは今年で30周年を迎えます。移り変わりが激しいファッション界で存在感を放ち続けるために大事にしていることは何でしょうか?
板橋さん:ずっと大事にしてきたのは、感謝の気持ちと、人とのご縁です。私がここまで「Candy Stripper」を長く続けてこられたのも、まわりのスタッフをはじめ、たくさんの人の支えがあってこそ。まさかこんなに長く続けることができるなんて、立ち上げ当初には想像できませんでした。頭の中で思い描いていた世界がいろいろな人の力を借りて洋服という形になる。一緒になって夢中になって、私のイメージする世界を共に作ってくれる大切な仲間たちとの切磋琢磨しながらのもの作りは、このうえない喜びです。
私が「Candy Stripper」を続けるうえで、頑張れるモチベーションになっているひとつに、同い歳のaikoちゃんの存在があります。ずっと歌手でいることが夢なのだと、いつもひたむきに前を向き、まっすぐに進み続けるその姿に、言葉の数々に、勇気をもらっています。年齢を重ねても、自分らしさを失うことなく、自分の好きなことやものに対してブレない姿勢や、新しいことを常にキャッチして柔軟に楽しみ、大変なことや思い通りにいかない苦難にぶつかったとしても、そんな状況さえも楽しもうと、夢をあきらめずに突き進む、その姿に励まされます。