【全国高校ラグビー準々決勝】“無敗王者”大阪桐蔭を破った桐蔭学園の申主将「取り組んできたことが全部出せた」 激戦を制して常翔学園・東海大大阪仰星・国学院栃木と共に準決勝へ!
去年の12月27日に始まった第104回全国高校ラグビー大会もいよいよ大詰め。1月3日には準々決勝が行われ、ベスト4が決定しました。 【準々決勝の試合詳細と動画はコチラ】
<常翔学園vs大分東明>相手の“驚異の粘り”を振り切りベスト4!
実力伯仲のベスト8の対決。第1試合、常翔学園(大阪)と大分東明(大分)は、予想どおりの大熱戦となりました。前半にペースをつかんだのは大分東明。序盤こそ常翔学園の勢いに飲まれ先制点を許しますが、その後は狙いどおりの試合運びで逆襲します。 前半11分、SO石川徠人選手の絶妙なキックにBK陣が複数で反応すると、相手ボールを奪って最後は徠人選手の双子の兄、LO石川波潤選手がトライ。15分には、常翔学園のラインアウトのミスに素早く反応し、ボールを確保したHO阪口豪之介選手がキャプテン・石川波潤選手につないでそのままトライ。ゴールも決めて12対7と逆転します。さらに21分、今度はハーフウェイライン付近で常翔学園のパントキックをがっちりとキャッチしたWTB下川悠輝選手が、切れ味鋭いカウンター攻撃を仕掛けてそのままトライ。ゴールも決めて19対7。あっと言う間の3連続トライで常翔学園を突き放します。 しかし、井本章介主将が「試合を重ねるごとに攻撃、守備ともに厳しさが出てきて、手ごたえを感じている」と振り返った常翔学園。ここから焦らず反撃します。前半終了間際の29分、タッチライン際でボールを受けたWTB正脇俊輔選手が鋭いステップでディフェンスをかわし、30m以上を走り切るトライを奪って19対12と7点差に詰め寄ると、後半開始直後から全員が集中した縦攻撃を仕掛けて大分東明のゴールラインに迫ります。そして後半1分、東明ゴール前5mのライアウトから、素早い仕掛けでNO8井本主将がトライ。19対17とついに2点差に迫りました。 再び試合の流れを引き戻した常翔学園。ここからは、白木繁之監督が「1.5mであっても押し切るのが常翔のスクラム。ずっとこだわって強化してきた」と語ったスクラムで優位に試合を進めていきます。そして後半9分、スクラムを押し込んで大分東明のペナルティーを誘発しキックで敵陣深くまで入り込むと、ラインアウトから連続攻撃を仕掛けて、最後は正脇選手が再びディフェンスをうまくかわしてトライ。ゴールも決めて24対19とついに逆転しました。 それでも差は、1チャンスで同点となる「5点」。残り時間20分あまり、大分東明も粘り強いディフェンスで常翔学園の追加点を防ぎながら、終盤にチャンスを作り出していきます。そして後半29分、常翔学園ゴールラインまで5mのラインアウトからモールをつくり、一気にインゴールになだれ込みます。 しかし、常翔学園の最後まで集中力を切らさないディフェンスの前にグランディングができずノートライ。さらには要所要所で常翔学園スクラムのプレッシャーにペナルティーを奪われ、どうしても得点につなげることができません。 それでもロスタイムに突入した34分、最後のチャンスで自陣からしぶとく攻撃を続けて、再びインゴールに迫ります。しかし、最後のグランディングを狙った場面が反則となり、ついにノーサイド。大分東明の驚異の粘りもあと一歩及ばず、リードを守り抜いた常翔学園が24対19で競り勝ち、5大会ぶり20回目のベスト4進出を果たしました。