「ニッポン野球が学べるんだ」ペットボトルの分別処理まで…外国人が沖縄に大挙「日本選手にも良い場所」斉藤和巳も感心するウィンターリーグ舞台裏
外国人選手に「ペットボトルの分別処理」を説明
参加費用は16万5000円~55万円と決して安くはないだが――円安のご時世でもあり、外国人選手はそれほど高額とは感じなかったようだ。一方でプロが参加したことによって、大学生、高校はプロアマ規定に抵触するので参加できなくなった側面もある。 今年は13カ国143人が参加(昨年は101人)。彼らは実力別にアドバンス、トライアウトの2つのリーグに振り分けられ、各3チームでのリーグ戦を戦う(交流戦もある)。 開幕前日の11月23日には、リーグ、チームに選手を振り分けるために、走力、跳躍力、打撃、投球などの基礎データを計測するフィジカルテストが行われた。 朝、コザしんきんスタジアムに集まった選手の多くは外国人。ゲームコーディネーターを統括する坂梨広幸氏は野球オーストリア代表監督である。選手に一通り説明をした後「日本でのペットボトルの分別処理の仕方」を、実際にペットボトルのキャップを取り、シュリンクラベルをはがして説明した。このきめ細かさが日本流だと、妙に感心した。 今年のJWLはDAZNが全試合、無料で中継放送している。投手の球速、回転数、変化量、打者の打球速度、角度が表示され、彼らのパフォーマンスはオンタイムでデータ化される。 11月24日の開会式後に行われた開幕戦は、前広島・内間拓馬が5回無失点の好投を見せて、EISAが中国代表に勝利した。 「すごくレベル、上がりましたよね!」 JWLの代表・鷲崎一誠氏の声が弾んでいる。確かに守備の俊敏さ、肩の良さ。日本選手はもちろんだが、中国代表のレベルの高さにも舌を巻く。スコアボードにはカタカナ名前ばかりが並ぶが、外国人選手のレベルは高い。そしてそれ以上に「学ぼう」という前向きの姿勢が見て取れる。
西武の関係者に派遣の意図を聞いてみると
では、初参加となったプロ勢はどう感じているのか。 埼玉西武ライオンズはJWLに、いずれも育成の谷口朝陽、仲三河優太、三浦大輝の3選手を派遣している。 「3人はケガをしていたり、身体は丈夫でも出場機会がなかった選手です。今日は三浦も投げましたが、これで3人とも全員実戦が経験できたのは良かったと思います」 視察に来ていたライオンズの眞山龍ファーム育成ディレクターは、派遣の意図についてこう明かす。 「仲三河は11月22日にこちらに入って、2日ほど十分な練習ができなかったので、初戦ではアジャストできない部分があったのですが、今日は室内練習場でしっかり打ち込んだことで、彼らしい積極的な打撃が見られたと思います。外国の選手がたくさん来ていますが、スイングは本当に強くて、仲三河が彼らとそん色ないバッティングができているのはいいかな、と思います。 それから谷口は、ピッチャーから野手に転向したばかりです。今年はケガもあってあまり試合に出ていなかったので、まずはこのリーグで完走するというのが目標だと思います。3人それぞれにテーマがあるのですが、大事なことは試合に出続けることだと思います」