スズキ新型フロンクス、導入グレードは上級仕様のみ【254万1000円のスタート価格は、じつは破格だった件】
インド生まれのフロンクス、日本に導入されるのは上級仕様のみ
スズキは1983年12月からインドでの四輪車の生産を開始し、2024年3月末には累計3000万台の生産を達成。スズキのクルマはトップシェアを誇るインド国内で販売されるだけでなく、アジア圏を中心とする各国に輸出もされています。 今回発売されたフロンクスもそんな役割を期待されるスズキのグローバルモデルのひとつ。海外から日本国内に輸入されるモデルとしては、2016~2020年まで輸入されていたコンパクトカーのバレーノに続くモデルとなります。 車格面や価格面に加えて、インド生産のコンパクトSUVという理由もあって、ホンダのWR-Vが一番のライバルと目されています。WR-Vは2024年3月から国内導入されており、200万円少々からという価格のインパクトもあって人気になっています。 対するフロンクスの価格は、2WD車が254万1000円、4WD車は273万9000円。この価格だけを見てしまうと「あれ、高いんじゃね?」と思ってしまうかもしれませんか、よくよく見るととんでもなくお買い得なのです。 ◆インパネは面積を大きく取ったメタル調加飾パネルや、トリムやシートにブラック&ボルドー落ち着いた色調の2トーンを用いる大人っぽい仕立て。各所にボルドー色を効果的に用いることでプレミアムな雰囲気を高めている。 ◆ステアリング奥のスピードメーターは、中央部に表示ディスプレイを配置するマルチインフォメーションディスプレイを採用している。 ◆ブラック☓ボルドーのレザーコンビシートも売りのひとつ。キャビンまわりにも徹底した遮音対策を実施したことで、静粛性もクラストップレベルを実現している。 ◆ラゲッジスペースは、フル乗車時でも通常で210L、最大時290L(ラゲッジボード着脱時)の容量を誇る。使いやすさを意識させてくれる実用的なパッケージだ。
ライバルのWR-Vよりも高めに思えるが、性能&装備の充実ぶりを考えると、じつはお買い得
まず、内外装の仕立て。造りが国内工場製と遜色ないのは今や当たり前ですが、フロンクスはヘッド&テールランプからターンランプ、リヤコンビランプやライセンスランプまで、灯火類はすべてLED。インテリアでも、本革巻きステアリングにパドルシフト、ステンレス製ペダルプレートやレザー調ドアトリム&アームレストなど、高級車を思わせる造りです。 ミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせた高精度の自動ブレーキシステムに、全車速追従機能・停止保持機能付きアダプティブクルーズコントロールも全車に標準。スマートフォン連携メモリーナビやワイヤレス充電器、シートヒーターなど、およそ欲しい装備が全部入りでの価格なのです。 パワートレーンは1.5Lのガソリンエンジンに3.1psのモーターを組み合わせたマイルドハイブリッド。トランスミッションは6速のATで、機敏な走りが楽しめるスポーツモードまで搭載されています。 日本仕様のみに用意された4WD車には、スノー、グリップコントロール、ヒルディセントコントロールの3モードも用意。高い走破性を誇ります。WR-Vには2WDしかなく、オーディオ/ナビもレス仕様が標準であることを考えると、魅力的なアドバンテージといえるでしょう。 このクラスでは、国内生産ながら2WDで190万7000円からのヤリスクロスも人気ですが、こちらはスマホのアプリナビの連携を前提にしたディスプレイオーディオが標準で、独立タイプのナビ機能が欲しいならばOPで追加する必要があります。さらにベーシックグレードにはパドルシフトなどのスポーティーな機能装備も望めません。 走りも装備も全部入りでお手頃価格のコンパクトSUVとして、フロンクスの競争力には、太鼓判を捺していいと思うのです。 ◆通信連携機能を備える全方位モニター付メモリーナビゲーション(9インチHDディスプレイ)が標準装備。このクラスのライバルはナビ機能がOPというケースも多いのだが、ここはフロンクスの大きなアドバンテージといえる。 ◆ホーム画面をワンタッチすれば、地図画面やオーディオ画面にはもちろん、平均燃費などの車両情報にも簡単にアクセスできる。利便性の高さを持つことも魅力。 ◆パワートレーンは1.5L直4エンジンにモーター(ISG)を組み合わせるマイルドハイブリッドを採用。K15C型と呼ばれるエンジンは、燃費性能と低中速域での力強さに定評があるスズキのグローバルエンジンのひとつ。 ◆オンロード主体のモデルと思いきや、4WD車にはグリップコントロールやヒルディセントコントロールなどのオフ&ラフロードで便利に使える機能も装着。
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月刊自家用車編集部