エヌビディア株急落、2789億ドル吹き飛ぶ-米1銘柄として過去最大
また、BIIのジャン・ボアバン氏は、AIが飛躍するまでには「忍耐が必要」で、「数四半期ではなく数年」のプロセスだとする見方を表明した。
こうした警告はもちろん目新しいものではない。アルファベットはAI支出急増に見合った利益拡大が見込まれないとして7月に株安に見舞われ、大手テクノロジー株からのローテーションの動きを促した。
しかし今回は、米金融当局が今月17、18両日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で利下げに踏み切る前に、同国経済が急激に悪化することはないとの見通しを主な材料に、株価が8月終盤に過去最高値に迫った状況で、新たな警告が発信された。
半導体銘柄への打撃は広範囲にわたり、SOXで今年、下から2番目のパフォーマンスとなっているインテルが8.8%安、半導体製造装置で米最大手のアプライド・マテリアルズは7%安。台湾積体電路製造(TSMC)の米国預託証券(ADR)も7%近く下げた。このほかアルファベットやマイクロソフト、アップルも下落した。
マーフィー&シルベスト・ウェルス・マネジメントのシニアウェルスマネジャー、ポール・ノルテ氏は、大手テクノロジー企業を除けば「AIは経済全体に普及していない」と指摘。AI支出に絡んだ投資収益率(ROI)にも「引き続き大きな疑問がある」と語り、「バリュエーションの面では、まだ押し目買いに魅力を感じる地点にない」と話した。
原題:Nvidia Suffers Record $279 Billion Rout as AI Worry Sinks Stocks(抜粋)
--取材協力:Natalia Kniazhevich、Katrina Compoli.
(c)2024 Bloomberg L.P.
Jeran Wittenstein, Ryan Vlastelica