検知面積2倍…三菱電機が開発、赤外線センサーの性能
三菱電機は既存の自社製品より検知面積を2倍以上に増やした赤外線センサーを開発、2025年1月に発売すると発表した。レンズを新しく設計し直し、熱画像を不鮮明にするような入射光成分を抑制した。設置台数の削減に加え、設置費用の抑制も可能になる。病院や高齢者施設での見守りのほか、スマートビルでの人の識別や空調管理、オフィス機器の消し忘れ防止などの使い方を想定している。 【写真】三菱電機の赤外線センサーで撮影した熱画像 新設計のレンズの採用で赤外線センサーは100×73度の広画角を実現した。検知面積が拡大した結果、室内に設置した場合、1台でも広い範囲のモニタリングが可能になる。約660平方メートルのオフィス内のモニタリングでは、光画角化により既存センサーの半分以下となる40個のセンサーでできた。 合わせて利用者の支援として評価用キットのほか、ハードやソフトの開発に必要なレファレンスデザイン(参照設計)の情報提供、検知に必要なアルゴリズム作成に必要な人工知能(AI)モデルの作成ツールなども提供する。 10月24日都内で会見した三菱電機の太田彰赤外線センサデバイスプロジェクトグループマネージャーは、開発したセンサーは「気候変動や高齢化、プライバシーの保護、人手不足など社会課題の解決に貢献できる」と期待を述べた。