シリア指導者、総選挙に初言及 実施まで「最長4年の可能性」
Hatem Maher Menna AlaaElDin [カイロ 29日 ロイター] - シリア暫定政府を主導する旧反体制派の主力組織「シャーム解放機構(HTS)」の指導者アハマド・シャラア(通称ジャウラニ)氏は29日、サウジアラビアのテレビ局アルアラビーヤのインタビューで、シリアで総選挙が行われるまで最長4年かかる可能性があるとの見方を示した。シャラア氏が選挙時期に言及したのはアサド政権崩壊後初めて。 シャラア氏は、国民が社会の劇的な変化を目にするのは約1年、新憲法制定には最長3年を要するとの自身の見通しも明らかにした。 HTSは国際テロ組織アルカイダ系の団体が前身で、イスラム教の厳格な解釈に基づく統治を行うのか、あるいは柔軟な統治で民主主義移行への姿勢を打ち出すのか、まだ不透明な部分が残されており、西側諸国などが懸念している。 シャラア氏はそうした懸念払しょくに向け、これまで対外的に穏健姿勢を発信。HTSについても国防省の傘下に入る形での解散を既に表明した。 今回のインタビューでこの点を聞かれると「当然だ。軍事組織や民兵が国家を運営することはできない」と言い切った。 またシャラア氏は、米国と連携しているクルド人勢力主体の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」など旧反体制派組織との紛争を続ける全ての勢力と交渉を行っていると説明した。 シャラア氏は、シリアがクルド労働者党(PKK)によるトルコ攻撃の基地になることを拒否すると述べた一方、新国防省は有能な民兵が傘下に加わることを歓迎すると門戸を開いていることを強調した。 PKKはトルコ政府からテロ組織に指定されている。 シャラア氏は、ロシアに関してはシリアと戦略的な利益を共有していると指摘し、アサド政権に続いて両国関係を重視する方針を示唆した。トランプ次期米政権に対しては、米国がシリアに科している制裁の解除を要望した。