ザ・ノンフィクションでも話題「365日全国泊まり歩き生活」。彼が浪人生活で得た価値観
秋からは勉強の質と量を高めるため駿台津田沼校に通いました。そこでもずっと朝から集中して勉強できたのは、浪人生活前半のリズム構築が大きいと思います」 ■千葉大学に受かると思っていたが… 秋から一気に受験モードに入った石田さんは、模試でも千葉大のC~B判定を記録します。順調に勉強を続けた結果、センター試験も7割とまずまずの成績を記録。自信を持ってB判定が出た千葉大学教育学部を受験しました。 しかし、結果はまさかの不合格。受かると思っていた石田さんは焦りました。
「小論文は少し出題意図が理解できず、焦った記憶があるのですが、それ以外は特に失敗した感じはありませんでした。だから、実際に落ちたと知ったときはびっくりしましたし、とても悔しくて湯船でボロボロと泣いてしまいました。 現役のときは何も悔しくなかったので、自分なりに頑張って結果が出なかったのはつらかったですね。後期は一応出願していましたが、受かると思って滑り止めの私立は出していなかったので焦りました」
千葉大学を受けるにあたって、数Iや世界史Aといった、勉強量が少なくても点数が取れる科目を選んでいた石田さん。ほかに受験資格がある大学があまりなく、奈良教育大学か、秋田大学、佐賀大学のどれかに出そうと考えた末、「あったかそうな街でのんびりできそう」だと思い佐賀大学に出願しました。 後期試験で石田さんは佐賀大学文化教育学部に無事合格し、進学することに決めました。 第1志望校に受からなかったものの、佐賀大学に進んだ石田さんは、「心から落ちてよかった」と浪人の日々を振り返ります。彼は浪人してよかったことについて、「人生にはうまくいかないこともあると学べた」と語ってくれました。
「現役と浪人のときに志望校で連敗したから、人生の厳しさを学ぶことができました。志望校に落ちたことによって、佐賀に行くことになりましたが、この選択はその後の自分の人生においてはめちゃくちゃ大きかったなと思います。 思ったとおり、おおらかな空気の中でのんびりできましたし、誰も知らない土地に行く経験をしたことで、ヒッチハイクをしてみたり、アジアの国々を旅してみたり、興味関心のあることをいろいろとやってみることができるようになりました。この経験が、今の物怖じしない性格につながっていると思います」