ピッティ ウオモとは?【比類なき4の魅力と誕生秘話】
世界最大規模のメンズファッションの祭典「ピッティ ウオモ」と言えば、メンズファッションの趨勢をキャッチするには欠かせないイベントで、当媒体の編集部員も毎度必ず参加し、スナップ撮影や取材を行っている。今回は、イタリア現地取材やピッティ関係者へのヒアリングを通じて、「そもそもピッティ ウオモって何?」「なぜ、こんなにも業界で注目されているの?」「誰が何のために始めたの?」など、素朴な疑問に答えつつ、ちょっと意外な歴史ウンチクなども紹介。これを読めば毎シーズンのピッティ ウオモが、さらに楽しめるかも!? ピッティ ウオモの貴重な画像を見たい方はこちらをチェック!
「ピッティ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMAGINE UOMO)」とは?
「ピッティ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMAGINE UOMO)」は、イタリアのフィレンツェで毎年2回、1月と6月に行われる世界最大級のメンズファッションブランドの国際見本市だ。日本では「ピッティ」「ピッティ ウオモ」などの通称で親しまれている。ピッティではイタリアブランドを筆頭に世界各国のブランド等、計800以上(コロナ前までは約1200ブランド以上)のブランドが新作モデルを発表する。世界中のデザイナー、セレクトショップや百貨店のバイヤー、ブランド関係者、インフルエンサー等が一堂に会する。翌年のメンズファッションのトレンドが発信される場として認知されており、ファッションジャーナリストが世界中から取材に訪れることも特徴だ。服以外にも香水、シューズ、バッグ、アクセサリー、ライフスタイル雑貨、ヴィンテージ、或いは古着など多岐に渡り並んでおり、メンズファッションの全てが網羅されたイベントと言っても過言ではない。
ピッティ ウオモにまつわる意外な歴史①「第二次世界大戦後の経済復興の真っ只中、イタリアで一人の実業家の挑戦が始まった」
ピッティの始まりはなんと1950年代初頭、第二次世界大戦後にまで遡る。敗戦国となったイタリアは戦後、経済復興を進めていく。とりわけファッションビジネスへの注力には目を見張るものがあった。当時ファッション業界で先陣を切っていたのがフランス。オートクチュール(高級な仕立服)の衰退とともに頭角を表したのがプレタポルテ(既製服)だった。一方で、イタリアではオートクチュールの文化が根強く残っていた。そこに目をつけたのがイタリアの実業家ジョバンニ・バッティスタ・ジョルジーニだ。彼は戦時中からイタリア製の商品を北米で販売するビジネスを意欲的に展開していく。