ピッティ ウオモとは?【比類なき4の魅力と誕生秘話】
ピッティ ウオモの魅力②「70年代から続く伝統と見本市を超越した情報発信力」
1972年から始まったピッティ ウオモは、イタリアのファッション産業の伝統と歴史に寄り添いながら、圧倒的な集客を実現し続ける見本市である。ちなみに見本市とは、商品の紹介、宣伝をしながら需要の喚起と大量取引の成立などを目的として催される市場。一方で、ピッティ ウオモは見本市の要素も含みつつ、“翌年のトレンドを世界に向けて発信する場所”という側面を持つ。伝統と歴史に裏付けられた権威性と、ただの見本市にとどまらない位置付けがピッティ ウオモの魅力と言えるだろう。そのため、当媒体「OTOKOMAE」のほかにも、「GQ」「VOGUE」「WWD」「Hypebeast」など多くの人気ファッションメディアの取材陣がこぞって訪れる場となっている。ピッティ ウオモには毎度違ったテーマが定められており、テーマに沿った新しいアイデアやクリエイティブなデザインが発表されるため、会場こそ毎回同じだが、参加者はいつも新鮮な気持ちで臨めるというわけである。 編集部 紺野「第106回ピッティ ウオモのテーマは「レモン」でした。 写真撮影ブースや、公衆電話ボックス、オブジェ、会場の外壁などが鮮やかなレモンイエローで彩られました。また来場者のなかには、レモンにちなんだウェアを着用している方もちらほら。ちょっとお祭り的な雰囲気もピッティの魅力です。」
ピッティ ウオモの魅力③「復活の声が上がるほどの唯一無二のコミュニケーションの場」
ピッティ ウオモは、パンデミックの影響で2020年6月と翌1月はリモートでの開催を余儀なくされたが、2021年6月からは無事に対面での開催が再開され、以前のエネルギーが再び感じられるようになった。コロナ禍をきっかけにそのままフェードアウトしてしまうイベントなども多い中、多くの業界人からリアル開催を復活してほしいとの声が上がり続けるのは名誉ある展示会の証拠とも言えるだろう。単なる見本市であればリモートでの開催のままでも可能かもしれないが、ピッティは業界で携わっている様々な職種の人たちのコミュニケーションの場となっている唯一無二の見本市だ。 編集部 泉「私は毎度、ピッティとミラノに取材で訪れていますが、ピッティの魅力のひとつは、バッソ要塞という1箇所に全員が集うことにあると考えています。(ランウェイショーやプレゼンテーションはバッソ要塞の外で開催されることもありますが)バッソ要塞の会場内を歩いていると必ずと言って良いほど、いつもスナップ撮影させてもらっている方々やお世話になっているブランド関係者の方々と再会できます。また、ミラノに比べて皆ショーの時間に追われていないせいか、そこかしこで井戸端会議的な会話が発生している光景もピッティならではの魅力です。何気ない会話から新しいコラボレーションやデザインアイデア等が生まれているのを目の当たりにするたびに、ピッティの底力を感じます。」