【ヤクルト】育成ドラフト1位の逆輸入ヒッター根岸辰昇が仮契約「なるべく早く支配下を目指していきたい」
ヤクルトから育成ドラフト1位で指名された慶応高出身で、ノースカロライナA&T州立大の強打者・根岸辰昇(たつのり)内野手が22日、都内のホテルで入団交渉に臨み、支度金320万円、年俸300万円で仮契約を結んだ。背番号は025に決まった。 24歳の逆輸入打者は、自身の名前が入ったタオルとミニ傘を目にして「実感が湧いてきました。年齢的にもなるべく早く支配下を目指していきたい。自分の力をしっかり出してベストを尽くしたい」と気持ちを新たにした。 「打率は意識しています」というコンタクトに長けた左打者で、慶応高卒業後、単身で渡米。ヤンキースのアーロン・ジャッジの恩師としても有名な名伯楽、ジョン・アルトベリ氏からスカウトされ、オレンジコースト大へ進学。21年からはNCAA最高峰のディビジョン1に所属するミドルテネシー州立大で主軸としてプレー。今季は同じくディビジョン1のノースカロライナA&T州立大で一塁手として活躍し、51試合に出場して打率3割7分1厘、8本塁打、37打点。NCAAディビジョン1の歴代日本人史上最高のOPS1・064をマークした。 「米国で得たスキルと経験を日本球界で試したい」とNPB入りを目指し、今年7月に帰国。練習を続けてドラフトでの指名を待った。練習を視察したヤクルト橿渕聡スカウトグループデスクは「レベルのスイング軌道がきれい。打でチームの軸になってほしい。その可能性は秘めています」と期待を寄せた。「プロで対応できる体力を」と来年1月の新人合同自主トレへ向けて汗を流している。 渡米中は大谷が所属していたエンゼルス、ドジャース戦をはじめMLBの試合を何度も観戦したが、あこがれているのは80年代にメッツで活躍した左の強打者ダリル・ストロベリー。父の影響で映像を何度も見たといい「すごく美しいスイング」と自らの打撃にも参考にしている。 米国での生活を「苦労した感じはありません。いろいろな方に支えられました」と振り返る。その恩返しのためにも、まずは支配下登録へ。背番号を2ケタにすべく若き血をたぎらせる。 ◆根岸 辰昇(ねぎし・たつのり)2000年9月20日、東京・杉並区生まれ。24歳。慶応中等部では軟式野球部。慶応高3年時にチームは春夏連続で甲子園出場も、春はベンチ外。夏から外野手のレギュラーで甲子園に5番・中堅で出場。19年8月にオレンジコースト大へ進学。21年8月からミドルテネシー州立大でプレー。24年はノースカロライナA&T州立大で一塁手のレギュラー。外野手も兼任。憧れの打者はメッツで80年代に活躍したダリル・ストロベリー。50メートル6秒2。180センチ、100キロ。左投左打。
報知新聞社