大阪・2代目「通天閣」 再建66周年は足場に覆われる形で
29日の近畿地方は朝から高気圧に覆われ晴れ間が広がった。気象庁によると、大阪市内では同日朝の最低気温は13.3度だったが、同日午前11時までには19.5度となった。そんなさわやかな秋空のもと、国の登録有形文化財で大阪を代表する観光スポットの通天閣(大阪市浪速区)では、改修工事が進められており、29日朝の時点で半分以上が足場に覆われていた。 【動画】今年5月に通天閣で開業した「タワースライダー」の体験映像
通天閣では今年8月から改修工事を実施。工事期間は来年9月までと13か月をかけて塔全体を塗りかえるという大規模な改修を行うとしている。 通天閣観光の高井隆光社長によると、通常の改装工事は約半年程度の改修期間だが、今回は通天閣の外装の塗装もあわせて行い、それが塔全体に及ぶ大規模な塗り替えのため時間を要するという。 工事の足場は日を追うごとに下から組み立てられ、29日の時点でも看板の半分ほどが足場に覆われている。
現在の通天閣は2代目となるが、28日で再建から66年を迎えた。初代通天閣は1912年(明治45年)に建設された。 しかし、1943年1月16日に隣接していた映画館「大橋座」が失火で炎上、通天閣も焼かれてしまうという事態に見舞われ、鉄骨がむき出しになって無残な姿となった。 当時は戦争中で鉄骨資材が足りない時代でもあり、結局、翌年に解体され、300トンの鉄くずとなって政府に供出された。 消失から10数年、初代・通天閣が立地していた新世界の商店主らの間で通天閣再建の動きが活発化。住民らの努力で1956年に通天閣の再建工事が始まり、同年10月28日に2代目通天閣が誕生した。
開業66周年は足場に覆われる形で迎えたが、29日朝も新世界は多くの観光客でにぎわいをみせている。 今年5月に通天閣で開業した60メートルの滑り台、タワースライダーは連日、利用者が500人を数え、利用客は今月で累計5万人を超えるなど話題を呼んでいる。 通天閣の撮影を楽しんでいた東京都の20代女性は「工事しているのは知らなかったんで通天閣を見てびっくりしましたけど、レアな姿を見られてよかったと思います。今からタワースライダーに行きます」などと話していた。 通天閣は、これからどのような姿に変わっていくのだろうか。近日中には足場で覆われるが、来年9月にはリニューアルした姿で大阪を盛り上げることだろう。