通天閣が110周年のライトアップ 初代誕生の記念日に特別バージョン
大阪を代表する観光スポットとして知られる通天閣(大阪市浪速区)は3日、初代通天閣が誕生から110周年記念した特別ライトアップを行い、道行く観光客らが足を止め撮影する光景が多くみられた。このライトアップは今月8日まで行われ、点灯時間は午後7時15分から同10時までとなっている。 【写真特集】110周年をカラフルな輝きで祝う通天閣のライトアップ
通天閣を運営する通天閣観光によると、初代通天閣は1903年に開かれた第5回内国勧業博覧会の跡地に仏・パリのエッフェル塔と凱旋門をモデルに建てられ、1912年7月3日に開業した。 高さ75メートルは当時、東洋一を誇り、3万個の電飾できらびやかな世界を演出されていた。この通天閣を中心に映画館や演芸場、飲食店などが並んだ「新世界」は大阪を代表する歓楽街に成長。昭和に入ってカフェが登場すると「新世界」は最盛期を迎えた。
しかし、1943年1月16日、通天閣のすぐ足元にあった映画館「大橋座」が失火で炎上。通天閣も巻き込まれ焼けて、足元の鉄骨がむき出しになって無残な姿となった。 太平洋戦争で鉄骨資材が足りない時代に初代・通天閣は1944年に解体され、300トンの鉄くずとなって政府に供出された。 その後、新世界の住民らによって通天閣再建工事の動きが活発化し、1956年10月28日に現在の2代目通天閣が完成・開業した。
通天閣観光では、今年で初代通天閣が誕生してから110年という記念すべき年に合わせ、記念のライトアップを企画。通常は時計を表示しているLEDビジョンに「初代・通天閣誕生110周年記念ロゴ」を映し、名物のネオンは5色のカラーチェンジで施し、通常とは違ったライトアップを演出した。 通天閣は今年5月に全長60メートルの滑り台「タワースライダー」を総工費3億円かけて設置。タワースライダーは開業以来、多くの利用客でにぎわいをみせている。 通天閣観光の高井隆光社長は「おかげさまで、初代通天閣誕生から110周年というる大変記念すべき年を迎えることができました。また、2025年の大阪・関西万博に向け、関西を盛り上げていきたい」と意気込みをみせていた。