『メタファー:リファンタジオ』想像から現実を顧みる―トマス・モアのユートピアは現代にあり?【ゲームで英語漬け#146】
トマス・モアが想像したユートピアの制度は当時のイングランド社会に対するカウンターであり、モアがその制作においてどこまで本気だったかは分かりません。本の最後には作者のモアの言葉として、語り手ラファエルの全てに同意することはできない、とあります。その上で、ユートピアから私達の政府が倣うべき所も大いにあるのではないか、として「ユートピア」は締められます。
もちろん「ユートピア」は文字通りウ・トポス、どこにもないモアの想像した幻想上の国です。提言や思想書と違って直接の主張ではないものの、現実を離れて荒唐無稽な筋書きを書いた先に、現実にフィードバックできる思想の種が実ることもあります。物語が現実を動かす力を、世界が荒れる今こそ信じる時なのかもしれません。
おまけ
問答無用の傑作異世界ファンタジー。「あかがね色の本」でしか味わえない読書体験に是非一度触れてみて下さい。
Game*Spark Skollfang
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