【中間決算おさらい】国内アパレル関連大手12社の注目トピックを解説
大手アパレル企業の2024年度第2四半期決算が出揃いました。2024年度の上期では、多くの企業で賃上げが実施されたことや、夏のボーナス支給額が堅調に増加したことなどによる消費マインドの高まりを受け、多くの企業が増収増益を記録。中には上期として過去最高業績を達成した企業もありました。一方で、国内事業や海外事業の不振により減収、または減益となる企業も見られました。 刻一刻と移り変わる経済状況の中で、更なる成長戦略を描く各社の業績傾向は?今回はアパレルに関連する大手12社をフィーチャーし、決算を売上規模別で紹介。2024年度上期の主な取り組みと下期の注目トピックもまとめました。
ファーストリテイリング(2024年8月期上期)1兆5989億9900万円
2024年8月期第2四半期(2023年9月~2024年2月) 売上収益:1兆5989億9900万円(前期比9.0%増) 営業利益:2570億8500万円(同16.7%増) 親会社の所有者に帰属する当期利益:1959億1200万円(同27.7%増) <主なトピック> ・全社として増収、大幅な増益で上期として過去最高の業績を達成。 ・国内ユニクロ事業は、暖冬にマッチした商品構成や情報発信の不足により既存店売上高が前年同期比3.4%減。一方、スポット為替レートの影響が低減し、原価率が改善したことで大幅な増益(同23.0%増)で着地した。 ・海外ユニクロ事業は、グレーターチャイナの実績は前年並みだったものの、北米や欧州、東南アジア・インド・豪州地域が売上をけん引し、大幅な増収増益。 ・ジーユー事業は売上収益で前期比9.6%増、営業利益で同17.5%増と増収増益。マストレンド商品の販売強化が奏功した。 ・グローバルブランド事業は減収減益。「セオリー(Theory)」は増収も販管費比率の上昇が響いて減益、「コントワー・デ・コトニエ(COMPTOIR DES COTONNERS)」も店舗数が減少したことで前年並みの赤字となった。 <通期のトピック>(※通期はすでに終えたため、通期のトピックスをピックアップ) ・企業として初めて売上収益3兆円、営業利益5000億円を突破。過去最高の連結業績を達成。 ・国内ユニクロ事業は、夏物コア商品の在庫を戦略的に確保したことが奏功し、増収と大幅な増益。売上収益は9322億円で、1兆円目前。 ・海外ユニクロ事業は、全ての地域で営業利益率15%以上を実現し、全体として大幅な増収増益で着地。 ・ジーユー事業は増収と大幅な増益。バレルレッグジーンズなど、グローバルのマストレンドを捉えた商品の販売が好調に推移。 ・グローバルブランド事業では、「セオリー(Theory)」事業の不振などが響き、減収と大幅な減益を記録。 ・2025年8月期では、グローバルで優秀な人材の確保を進めるとともに、自分で考え決断できる経営者マインドを持った社員の育成に注力。 2024年8月期通期業績 売上収益:3兆1038億3600万円(前期比12.2%増) 営業利益:5009億400万円(同31.4%増) 親会社の所有者に帰属する当期利益:3719億9900万円(同25.6%減)