迷惑駐車で邪魔なクルマはどうすべきか…「民事不介入」として動こうとしない警察を動かすためにやるべきこと
駐車場から車を出そうと思ったら、迷惑駐車をされていて、車が出せない。そこが仮に自分の土地であった場合、もちろんその車をどかす権利は私にあるはずだ……!と安易に行動に移してはいけません。逆に訴えられる可能性があるのです。 まず原則として知っておきたいのが、他人の車を勝手に動かしてはいけない、ということです。仮にそこが自宅などの私有地であってもです。理不尽に思えるかもしれませんが、自分で動かしてはいけません。 民法には「自力救済禁止の原則」というものがあります。自分の権利を侵害する状態が生じていても、司法手続きを取らずに自力で解決しようとする行為を禁じています。 わかりやすい例でいうと、以前、家賃2カ月分を滞納した男性が、家賃保証会社に部屋のカギを替えられたうえに家財道具も処分された事案がありました。これを不服とし、男性が損害賠償請求をして、家賃保証会社側が55万円の支払いを命じられました(東京地裁、平成24年9月7日)。家賃を滞納したのは男性のほうなのに……と、やりきれない思いに駆られるかもしれませんが、これが「自力救済禁止の原則」です。たとえ被害者であっても、他人の車に傷を付けたりすれば、逆に器物損壊罪で訴えられる可能性があります。「駐車禁止」の貼り紙をする場合でも、車にテープ痕が付けば器物損壊罪に問われかねません。ワイパーに挟む程度にとどめるのが賢明です。 ■警察が動かなくても手段はある 自分で車を動かせないなら、どうすればいいのか。まずは、警察に相談するのがよいでしょう。ただし、あまり警察には期待しないでください。警察は、公道であれば取り締まれますが、私有地に関しては取り締まることはできません。警察に相談しても「警察は民事不介入ですので」と軽くあしらわれてしまうことが多々あるのが現状です。 しかし「警察は役に立たない」と諦めないでください。仮に、家の敷地内の駐車場に無断駐車された場合は、そこが住居とみなされる場合があります。その場合「住居侵入罪です」と警察に相談してみましょう。警察が動く可能性はゼロではありません。