日本ハム・新庄剛志監督3年目の変貌 鶴岡慎也が語るファイターズ快進撃の秘密
── なぜこんなに次から次へと投手が出現するのでしょうか? 鶴岡 誰かの状態が落ちたら、別の投手が上がってきて結果を出す。ものすごくいいサイクルで回っています。チームの合計ホールド数は、パ・リーグ1位です。つまり、かつての"勝利の方程式"のように決まった投手が登板するのではなく、状態のいい投手を使っていく。ベンチが選手のコンディションをしっかり把握し、うまくマネジメントできているからだと思います。 【若手野手が次々とブレイク】 ── 捕手は田宮裕涼選手が大ブレイクしました。 鶴岡 今季の日本ハムを象徴する活躍ぶりでした。ここにきて疲れが出ていますが、代わりにベテランの伏見寅威が安定感抜群のリードで投手陣を牽引し、チームの勝利に貢献しています。伏見がマスクを被った試合の防御率、勝率はいいです。 ── 野手陣はいかがですか。 鶴岡 オールスターにアリエル・マルティネス、上川畑大悟、郡司裕也、水野達稀、万波中正がファン投票で選ばれたように、今季は多くの選手がブレイクを果たしました。また、現役ドラフトでソフトバンクから移籍してきた水谷瞬が交流戦でMVPを獲得。さらに清宮幸太郎も大谷翔平が通ったという「ドライブライン」で動作解析を学び、トレーニングに反映させました。打球の角度のつけ方が進境著しい。清宮の長打力はチームにとって大きな武器になっています。 ── ほかにも新外国人のフランミル・レイエス選手、淺間大基選手の活躍も光ります。 鶴岡 メジャー通算108本塁打のレイエスですが、春先は不振で新庄監督はファームで1カ月調整させました。そこで日本の投手のボール、配球を学んだのかもしれないですね。現在18本塁打はチームトップで、球団タイの25試合連続安打も記録しました。彼は日本の野球に適応しようという意欲の持ち主で、彼が打つとチームが盛り上がります。日本ハムに欠かせない戦力となっています。 ── 今季の日本ハムを見ていると、思いきりのいい打撃、積極的な走塁が目立ちます。 鶴岡 チーム本塁打93本、チーム盗塁数77個は、ともにソフトバンクに次いでリーグ2位です。これは新庄監督就任時から意識させてきたことで、ようやく形となった感じです。