「逃げ切った大人では気づけない」Z世代の新卒社会人から見た職場と社会の風景
■ルールがないことのしんどさ 舟津:残業って、する・しないの話になりがちですけど、もちろん0か1ではないので、基準やルールが明示されないのも辛いんですよね。「うちは定時で帰るやつはダメだ」とか「みんな19時半まで働こうぜ」って明確に言うならまだ交渉の余地があるかもしれませんが、それを言わずに暗黙のままダラダラやると、精神的にもしんどいでしょうね。 木下:やっぱり、終わりが見えないのがきついですね。
田川:立場としては、言われないと動きづらいです。そこも「試されてるのかな」って裏読みしちゃいますね。 舟津:ああ、基準がないから、変に裏を考えてしまうというのもポイントですね。考え出すと際限がないですから。ただ、上司にとっても指示を出すのが怖い部分もあるんでしょうね。そもそもみなさんに喋りかけること自体にびびってる節もありますし、労働時間ってセンシティブなものだから、直接明言したり、ルールを作るのが怖くて、なおのこと言えないのかもしれない。ただ、言えないことがまた不信感を生んでしまうんですけどね。崎山さんは、どうですか。
崎山:僕はお金ですね。業務に関しては特に不満はないので、趣味の海外旅行のために、お金を稼ぎたいです。 舟津:なるほど、賃上げ要求。それは非常に真っ当です。日本企業って、財務指標はここ15年くらいけっこう良くなってるのに、人に還元しない傾向はずっと続いていて、賃上げも後回しになってしまっていますからね。 ■Z世代として社会に求めること 舟津:では最後に、別の座談会で他のZ世代の方にも伺ったことなんですが、みなさん社会に対して求めることってありますか。本当に自由に答えてもらって構いませんので、個人的なことでも世代を代表しての意見でも大丈夫です。
田川:僕は、水曜日を休みにしてほしいです。 舟津:もっと休んでいいんじゃないかと。でも、提言としてそれは面白いですね。水曜日を休みにしても社会が回るのか試したの? っていう。 木下:水曜日休みだったら、「前日休んだから」と「明日は休みだから」がずっと続きますもんね。 舟津:たしかに、うまくできてますね。なかなかキャッチーな提言です。 田川:逆にそういうキャッチーなのしか出てこないですね。おそらく、リアルに満足して困っていないからかもしれません。