【元運転手が決意の告白】官房機密費が内閣府送迎スタッフへの「特別手当」として使われていた!
「政治とカネ」の闇はどこまで深いのだろうか。 税金が原資ながら、国会のチェックを受けることなく、領収書の提出も不要で、使途も非公開でOKなカネがある。「内閣官房報償費」だ。「官房機密費」とも呼ばれ、「国の事務を円滑かつ効果的に遂行するために機動的に使用する経費」とされている。 【これぞ政治とカネの闇】国民の血税が運転スタッフへの「お小遣い」になっていた 合計金額は年間10億円超ともいわれ、内閣官房予算に毎年計上される。支払い時に会計監査員の検査を受けるが、支払い先は国民には明らかにされない。 ’23年11月、石川県の馳浩知事(63)の講演会での発言が話題となった。東京五輪招致活動のため、安倍晋三氏の指示で国際オリンピック委員会(IOC)の委員に渡した1冊20万円のアルバムの原資に機密費を使った、と打ち明けたのだ。だが、この発言が話題になると馳知事は「複数の事実誤認があった」と撤回。それ以上の説明を避け、ウヤムヤにした。 「領収書なしで自由に使える掴みガネ、官房機密費は“権力の潤滑油”と言われています。国会対策のための野党議員との会食代、世論対策のためのアナウンス役の政治評論家への付け届けなどにも使われているといわれていますが、実態は闇の中です」(全国紙政治部記者) だが今回、実態不明な“権力の潤滑油”の使い道を初めて明言する人物との接触にフライデーデジタルは成功した。 内閣府で大臣・副大臣らの運転手として働いていた石川小吉氏(仮名)が告発する。 「毎月、初頭に『はい、今月分』と秘書官から内閣府で使われている茶封筒を渡されていました。中身は現金でした。メインの運転手なら10万円、サブなら5万円が入っていた。運転手は拘束時間が長いのでAとBに分かれており、サブのBは火・木曜日に加えて、土曜日か日曜日にハンドルを握ります」 本給や残業代とは別の、「第三の手当」として機密費が使われていたというのだ。運転手以外にも機密費から特別手当が出ていたと、石川氏が証言する。 「SPにも月10万円、手渡されていました。オヤジさん(担当する政治家)が平日の夜に会合に出席する際に駐車場代と夕食代として5000円が渡されるのですが、これもSPと分けます。ただ、会合場所は赤坂界隈が多く、駐車場代が高いので、支払いを終えると手元には2000円も残りませんでしたけどね。とはいえ、オヤジさんの会合を待つ間は残業代がついていたので、別に現金をもらっていることを心苦しく思っていました」 大臣の運転手は朝7時から深夜まで拘束される過酷な仕事だ。なかでも「官邸の要」「総理の女房役」と呼ばれる官房長官は国内外の要人と会い、一晩に2つも3つも会合が入るのはザラ。公にできない相手との会食もある。北朝鮮による日本人拉致問題に関する情報提供の謝礼など、使途が表に出せない使い道も多々ある。そうした支出を官房機密費で対処するのは理解できよう。 だが、使途を明かさなくてもいいからといって、好き勝手に使っていいわけではない。「秘書官がもらっていた封筒はかなり分厚かった。相当な金額をもらっていたのではないか」と石川さんは推察する。 「私が知る限り、特別手当を毎月もらえるのは官房長官の運転手とSPだけでした。大半の運転手は飲み代やギャンブルに使っていました。同じ官邸にいても、総理や官房副長官の運転手は特別手当をもらえません。機密費を扱えるのは官房長官だけだからでしょう」
FRIDAYデジタル