G大阪の21歳新エースが最終節で2桁ゴール到達!! 同世代FWの活躍、古巣岡山の初昇格にも刺激受けたFW坂本一彩「結果が出だして自信がついた」
[12.8 J1第38節 G大阪 3-1 広島 パナスタ] ガンバ大阪の未来を担う21歳の新エースが、シーズン最終節の2ゴールで見事な二桁得点フィニッシュを果たした。この日、難敵・広島を破る立役者となったFW坂本一彩は「自分のやるべきことをやってきたことで今季の活躍ができた」と手応えを口にした。 【動画】アウェー中国戦の裏で起きていた珍事…日本代表FWがSNS上の声に反応「わざと」 最終節まで逆転優勝の可能性を残す広島をホームに迎えたJ1最終節。主役の座をかっさらったのは21歳の坂本だった。 まずは0-0で迎えた前半13分、左サイドを突破したFWウェルトンの折り返しにゴール前で反応。「最初はもっとニアに入り込もうとしたけど、荒木選手がちょっと引いたので止まって受けたらワンタッチでゴールを狙えると思った」。ゴール前の駆け引きで相手の逆を取り、冷静なワンタッチシュートを沈めた。 さらに2-1で迎えた後半44分にはMFファン・アラーノのシュートのこぼれ球に反応。「アラーノが打つタイミングでこぼれてきそうやなというのがあった。一応走っておこうと思って走ったら来た。セカンドボールは転がってくるので、何か起きればいいなと思って走った」。ストライカーの嗅覚で今季10点目を奪った。 シーズン最後の4試合で5ゴールの固め取り。「まさか今日2点決められるとは試合前は全然思っていなかった。でも1点目を決めたあたりから可能性も出てきて、途中からは狙っていた」(坂本)。最後は「今季を通じて自分が掴んできたものを全部出せた」と納得のいくパフォーマンスで二桁の大台に乗せた。 昨季はJ2のファジアーノ岡山で武者修行し、24試合4ゴールを記録。今季からG大阪に復帰し、さっそく飛躍のシーズンを過ごした。 もっとも、この活躍ぶりは坂本自身にとっても「シーズンの最初は正直、2桁取れるとは思っていなかった」というもの。当初は負傷離脱中だったチュニジア代表のFWイッサム・ジェバリの穴埋めで出番を掴んだ格好で、町田との開幕節でも先発起用されたものの、結果を出すことはできていなかった。 開幕戦の試合後には「ここで結果を残していかないとFWは厳しいポジション。なるべく早く点が欲しい」と焦りものぞかせていた坂本。今でも「あの開幕戦が終わってから『自分でもやっていけるのかな』というのが正直あったし、気持ちが沈むこともあった」と率直に振り返る。 ただ、我慢強い指揮官の起用が坂本の立場を変えた。転機となったのは第9節・浦和戦での決勝ゴール。「あれで自信がついて、もっとやれるという気持ちになった」。その前の第8節・鳥栖戦以降、3試合連続ゴールを記録しており、「それまでは自分の得意なプレーも自信を持ってできなかったり、不安な要素があったけど、結果が出だしてから自信がついた」とゴールを奪うことでリズムを掴んでいたようだ。 そうして辿り着いた2桁得点。最後の固め取りは同世代のライバルや、古巣・岡山からの刺激も力に変えていた。 1週間前の前節では湘南の21歳FW鈴木章斗が一足先に2桁ゴールを達成。「意識していた。あまり関わりはなかったけど、試合後に喋ったりすることもあったし、前節2桁取ったので、自分も乗せないとなと思っていた」(坂本)。また最終節の前日7日には岡山がJ1昇格プレーオフを制覇し、来季のJ1昇格を確定。「クラブハウスで試合を見ていたし、勝った時は嬉しかった。自分も明日頑張らないとなと思った」と励みにしていたようだ。 しかしながら、いざ到達してしまえば2桁得点も通過点。今季の数字についても「正直もっともっと取れたなと思う。外している部分もたくさんあったので」と満足はしていない。新シーズンは岡山との対戦も控えており、「来年やるのが楽しみ」と坂本。来季はさらに決定力を高め、さらにG大阪の新エースにふさわしい働きを見せていく構えだ。