聴覚障がいのレフティが7位発進 インド代表のダガー「家族とゴルフが私の人生」
◇パリ五輪 女子 初日(7日)◇ル・ゴルフ・ナショナル(フランス)◇6374yd(パー72) 【画像】パリ五輪女子フォトギャラリー 生まれつき耳の不自由なディクシャ・ダガー(インド)が、首位と6打差7位の好位置でスタートした。23歳の細身のレフティは、6歳から補聴器をつけてゴルフを始めた。コーチはインド陸軍大佐だった父ナリンダさんで、今大会は帯同キャディも務めている。 ダガーは「ゴルフが好きだったけど、教えてくれる人がいなかった。一人ではプレーできなかったし、友だちも少なくて。だから、父が私と弟のコーチをしてくれるようになった」という。弟のヨゲシュさんも聴覚に障がいがある。「家族と、ゴルフが私の人生です」と家族で一緒に歩んできた。 聴覚障がい者のスポーツの祭典「デフリンピック」では2017年大会で銀、21年大会で金と2つのメダルを獲得しているが、ハンディを感じさせない実力者だ。19年にプロ転向すると、主戦場の欧州女子ツアーで同年「インベステック SA女子オープン」、23年「ティップスポルト チェコ女子オープン」と2勝をマーク。23年のメジャー「AIG女子オープン」(全英女子)では21位になった。 21年東京五輪も2人の辞退者が出たことで繰り上げ出場を果たし、今大会は13位発進したアディティ・アショクに次ぐインド代表2番手として世界ランキング167位(7月8日時点)で出場を決めた。
この日は7番で4.5mのチャンスを決め、11番(パー3)はティショットを3mにつけ、14番(パー5)は6.5mを決めて、3バーディを奪取。17番で初ボギー、最終18番(パー5)で3パットと上がり2ホールでスコアを落としたが、1アンダー「71」にまとめた。パーオン率77.78%(14/18)でフィールド3位タイとショットが良く、スコア貢献度を示すパットも6位とグリーン上も冴えた。 海外メディアのUSA Todayによると、ダガーと家族は前週にパリで交通事故に巻き込まれ、母が入院した。「誰のせいでもなく、ひどい事故だったけど、神の恵みで私たちは無事だった。2度目のオリンピックに出場できて、とてもラッキーだし、恵まれている」。困難をはねのけて、メダルも狙える最高の滑り出しを見せた。