藤枝FW矢村健が覚醒の時…総理大臣杯決勝戦う母校にもエール「強さを証明して」
[9.14 J2第31節 仙台2-3藤枝 ユアスタ] 藤枝MYFCのエースストライカーが止まらない。2戦連発中だったFW矢村健は前半4分、DFラインからのロングパスでエリア内に入ると、右サイドの角度のないところから右足を振り抜く。あっさり3戦連発を決めると、2-1で迎えた後半10分にもDFラインからのロングボールに反応。カットインから今度は左足でゴール左隅に蹴り込んだ。 【写真】「スタイル抜群」「目のやり場に困る」“勝利の女神”のアウェー遠征に反響 3-2と競り勝った藤枝はこれで3連勝。順位は10位と変動はなかったが、勝ち点45はJ1昇格プレーオフラインの6位・山口と、勝ち点差2の大混戦につけている。ただ矢村は「もちろん狙いますけど、まず大事なのは目の前の試合」と強調。 また今季13得点として得点ランキング1位に4点差と詰まった得点王争いについても「少し離れているけど、決して届かないところじゃない。だからこそ今日ももう1点、2点と斗なライトいけなかった。残り7試合で1点でも多く取れればいいかなと思います」と冷静だった。 母校の躍進も刺激になっている。新潟医療福祉大は15日に行われる総理大臣杯決勝で阪南大と対戦する。2005年に創部した同校サッカー部は、桐光学園高で中村俊輔氏を指導した実績を持つ佐熊裕和氏を2014年に招聘して、本格強化を開始した。そんな中で矢村も2016年に入学すると、大学2年生から3年連続でMVPを獲得。新興チームを全国の強豪へと押し上げる礎を作った。 新潟医療福祉大は2022年度の大学選手権(インカレ)で初の全国大会決勝を経験しているが、日本一のタイトルはまだない。矢村も「最近強いねと言われてきているけど、それがたまたまじゃないというところを証明してもらいたい。自分はなかなかそういう舞台に行けなかったけど、後輩たちの活躍はすごく嬉しい。でも優勝しないと、まだ評価されないチーム。だからこそ強さを証明してほしい」と期待を寄せる。 そして「だからこそもっと活躍しないといけない。小森(飛絢)やシマブク(・カズヨシ)、オナイウ(情滋)だったり最近どんどんプロに行く選手が増えているけど、全国から新潟に行きたいという選手を増やしていければいい」とOBとしての自覚も改めて強くする。ただプロキャリア初のシーズン2桁ゴールに手ごたえがないわけがない。新潟からのレンタル移籍中の27歳は、「新潟から戻ってこいと言われるかもしれないし、結果を残すことでいろんなところから声をかけられると思う。サッカー選手である以上もっと上の舞台を目指してやっていきたい」とどん欲に話していた。