【闘病】謎の体重増加は「卵巣がん」… 抗がん治療や人工肛門の苦労を乗り越えて
大手術と抗がん剤治療の甲斐もあって現在は元気に
編集部: 2回の手術を経験し、生活面にどのような変化があったのかも教えていただけますか? 遠藤さん: 手術の翌日、医師から「よく頑張りましたね、悪いところは全部取りましたよ」と言われたとき、痛みに苦しみながらもホッとしたのを覚えています。生活の面では、人工肛門の処置に加えて自己導尿もありました。 退院してからも最初のうちは毎日排泄処理に追われ、あっという間に1日が過ぎていたように思います。毎日人工肛門と自己導尿の処置、便と尿の量を計測、ストーマの洗浄、2日に一度は人工肛門のパウチ交換をしました。 パウチ交換には慣れていなかったため、交換だけでも1時間近くかかり、それが終わると疲れ切っていました。あと、ウィッグのお手入れも大変でしたね。 編集部: 肉体的にも精神的にもかなり疲労感があったと思います。 遠藤さん: 2回目の手術は12時間を超える大手術でしたので、回復にも時間がかかりました。1回目のときに比べると身体は楽でしたが、毎日の処置が大変でした。 「本当に良くなっているのだろうか」「こんなにしんどいのか」と思い、しばらくは泣きながら暮らしていました。それでもパウチ交換などをしているうちに、ストーマが一緒に治療を続ける同志のような存在になりました。 編集部: 現在の体調や検査の結果はどうですか? 遠藤さん: 毎月腫瘍マーカーなどの血液検査を受けていますが異常はなく、元気に過ごしています。副作用はかかとの痺れと多少の体調変化程度です。一度だけヘモグロビンの値が下がって2回ほど輸血もしましたが、今は回復しました。 また、人工肛門は元々一時的なものと言われていて、経過が順調だったこともあって閉鎖しました。ただ、現在も再発を予防するための薬を服用しています。また、膀胱炎や感染症のリスクはあるので自己導尿は継続しています。 編集部: 遠藤さんの病気が判明したとき、お仕事はどうされましたか? 遠藤さん: 医師から「悪性の可能性があります」と説明されても、当時の私はあまり実感が湧かなかったように思います。その日も仕事だったので「悪性かもしれない」と言われても、そのまま車を運転して仕事へ行きました。 職場へは診断書を提出して、休みが多くなるかもしれないと伝えました。以前、ダブルワークをしていたこともあり、体力には自信があったので、仕事を休むとは想像していませんでした。