国際宇宙ステーションから見える「天の川」、私たちの故郷の銀河
ここ地球では、運が良ければ、宇宙空間に長く伸びた輝く霧のように夜空に微かに光る天の川を見つけることができる。光害に悩まされている都市の住人にとっては特に、めったにお目にかかれない光景かもしれない。一方、国際宇宙ステーション(ISS)の住人は、並外れて美しい天の川を眺めることができる。幸いなことに、ISSの優れた天体写真家たちが自身の経験を共有してくれるのだ。 【画像】NASAが公開した国際宇宙ステーションから見える「天の川」 NASAのISSのXアカウントに12月4日、スペースXの有人カプセル「ドラゴン」を映した動画が投稿された。この映像の真の主役は、背景に輝く天の川だ。「星々とドラゴンが並んで見える時」と、NASAはツイートしている。「宇宙ステーションが軌道の日の出に向かって飛翔している間に、ドッキングしたスペースXのドラゴン有人宇宙船の背後の広大な宇宙空間に天の川が見えている」と、ツイートは続いている。音のないこの動画では、星々が瞑想的に画面を流れていく。太陽が昇ると、ドラゴン宇宙船は光に包まれる。 天の川は、地球がある太陽系が属する、私たちの故郷の銀河だ。外から見ると、渦状腕を持つ巨大な渦巻きに見えるだろうが、地球はその腕の中にある。地球から見ると、銀河系を内部から横向きに眺めることになるため、全体像を見ることはできない。NASAの推定によると、銀河系には約1000億~4000億個の恒星がある。地上から肉眼で見えるのはすべて、銀河系内にある星だ。 NASAは、ISSから撮影した天の川の画像を次々に公開している。ISSのX(旧ツイッター)公式アカウントは、NASAの宇宙飛行士のドン・ペティットが11月28日に撮影した天の川の長時間露光写真を共有した。この画像は、ISSが太平洋上空を軌道周回中にスペースXのドラゴン有人宇宙船の窓から撮影された3枚のうちの1枚だ。 ペティットの天の川画像には、下方の地球の曲線と、幽玄な輝きを放つ天の川の星々が、ドラゴン宇宙船の楕円形の窓枠に囲まれて写っている。熟練した天体写真家のペティットは現在、ISS滞在中に新しいレンズや撮影アングルをテストしている。ペティットは以前、A3彗星の通称で知られる非常に珍しい彗星、紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)の画像を撮影したことがある。