「好きなだけ食べて、お酒も飲むのに5キロ減少」 有名女医が実践する、続けられる「キャベツ健康法」
キャベツのがん抑制効果
イソチオシアネートという物質をご存じでしょうか。一般に野菜や果物には抗酸化作用がある「フィトケミカル」という成分が含まれています。 植物は芽が出てから、ずっと同じ場所で太陽の紫外線にさらされながら育ちます。紫外線は、遺伝子を傷つけ皮膚がんや肌老化の原因になる。動くことができない植物は紫外線の影響を防ぐためにフィトケミカルを自分で合成するようになったといわれています。ポリフェノールやアントシアニン、リコピンといった物質が知られていますが、とくに抗酸化作用が高いといわれるのがイソチオシアネートなのです。この物質はキャベツにたっぷり含まれているのです。 1990年にアメリカの国立がん研究所が、がん抑制効果の高い野菜をピラミッドのようにランク付けして発表しました。「デザイナーフーズ・ピラミッド」というもので、その頂点にニンニクやショウガなどと並んでランクされたのが、キャベツでした。 ニンニクはいかにも健康に良さそうですが、キャベツのような「普通の野菜」が、もっともがん抑制効果が高いと知ったら、驚かれるかもしれません。
食べているだけで消化に良い
そして、次に忘れてはならないのが「ビタミンU」です。別名、キャベジン。胃薬の名前だと思っている人が多いかもしれませんが、キャベジンはキャベツから発見されたビタミンで、胃酸分泌の抑制、胃粘膜の修復、胃粘膜の新陳代謝を促進してくれることが知られています。食べているだけで消化に良いなんて、実にありがたい野菜だと思いませんか。 ここまで読んでいて気が付いた方もいるかもしれませんが、キャベツは生活習慣病を防いでくれる食べ物でもあります。生活習慣病は食生活の偏りから来る病気。予防には運動も必要だとはいえ、続けるのは楽ではありません。でも、毎日の食事の一部をキャベツに代えるだけで改善が期待できるのです。
「酢キャベツ」が定番
次に、どうやって食べるのがいいか、毎日食べるにはどうしたらいいかをお話ししましょう。 キャベツ食を始めた当初、私は生で食べていました。サラダのような感じです。千切りや、ザク切りなど形を変えて飽きないようにしていました。でも、途中から酢に漬けて食べるようになり、今ではこれが定番です。 もともと私は「酢ショウガ」というのを常備菜にしていました。ご存じのように酢は血液をサラサラにする効果があり、血圧も下げてくれる。カルシウムとくっついて酢酸カルシウムに変化し、骨への吸収も良くなる。ショウガを酢に漬けるだけの、いわば「酢」を食べるための工夫です。 医学的に「クエン酸回路」と言うのですが、体の代謝はクエン酸によってスムーズになることが知られている。酢に含まれるクエン酸で、代謝を促進できるのではと思い、クリニックに来る患者さんにも勧めたところ、コレステロール値が下がったり、中性脂肪が落ちたりした患者さんが増えた。データを取ったら有意な数字が出たのです。 その「酢ショウガ」の野菜を、あるとき「キャベツに代えてもいいのでは」と気が付いた。要するに「酢キャベツ」なのですが、やってみたら、これが私にぴったりでした。