復興は「地方創生への橋渡し」 経験・ノウハウ残すことも“使命” 復興庁・末宗事務次官
Q:復興庁が持つノウハウはどう継承していくのでしょうか?
復興庁は(設立以来)ノウハウや教訓を蓄積してきています。記録を残すことも、我々の使命だと思っており、今はその取りまとめをしています。
最近は全国で大規模災害が起こっています。比較的短期間で対処できる災害もあれば長期間かかる災害もあります。長期間かかるような災害について、被災者支援や、まちづくり、産業・なりわいの再生などに関するノウハウを全国の自治体に共有しようという意図です。この3月に中間的なまとめをし、個別具体的な事例を含めた完成版は来年度までにとりまとめを行う予定です。 うまくいっている事例だけでなく、結果として「あの時、もうちょっとこういうふうにやっていた方が良かったんじゃないか」という教訓も含めて今後の参考になるようなものにしたいと思っています。 例えば、南海トラフ大地震が起きたときに、被災者は広域に散らばる可能性があります。原子力災害は二度と起こしてはいけないと思いますが、長期で広域に避難者が出ているという面では今後の参考になると考えます。 (1)発災から短期の時点でやるべきこと(2)半年から1年くらいの時点で出てくるニーズ(3)1年以上たって出てくるニーズ――、を時系列で示し、その時々で良かった取り組みと反省すべき点を整理するつもりです。これを「被災者支援」「まちづくり」「産業・なりわい」など分野ごとにまとめていきます。 事前防災も大分進化してきていて、今はソフトの対応をできるだけすることによって被害を最小化するという流れです。何か起きたときにさっと逃げる、それと過去に被害が来たところを避け、なるべく高台に住むようにするなど、まちづくりを含めて考えないとなりません。 ただ、(災害が)起きてしまった時の対処は、我々のノウハウをしっかり使ってくださいね、と。全国の自治体などでも共有してもらえれば、今後の大規模災害への備えになるはずです。