ペルーから帰還した海外協力隊員 「和歌山の観光誘客にいかしたい」
JICA(国際協力機構)海外協力隊でペルーに派遣されていた和歌山市在住の松本直樹さん(60)が今月、2年間の任期を終えて帰還した。現地では観光誘客などに携わっていたといい、「この経験を和歌山でもいかしたい」と意気込んでいる。 派遣前は県観光連盟に勤務し、海外メディアの対応などに当たっていた松本さんは、ペルー北部のラ・リベルター州トルヒーヨ市で観光分野で活動。世界遺産「チャンチャン遺跡」でガイド向けの日本語講座を開いたり、学校で日本の文化を伝える授業を行ったりしていた。 また、ペルーでは、古代インカ帝国の遺跡「マチュ・ピチュ」やナスカの地上絵といった南部の観光名所に観光客が集中するオーバーツーリズムが問題となっており、比較的観光客が少ないトルヒーヨ市への誘客を目指す役割も担っていた。 松本さんは「交通インフラの問題もあり、思うように成果は出せなかった。積み残したこともある」と振り返る。今後はボランティアガイドなどとして和歌山の観光に携わるといい、「この経験をいかして和歌山への誘客にも役立てたい。滞在期間の長いインバウンド(訪日外国人客)の訪問先に和歌山が選ばれるようにしたい」と語った。 ◇ 海外協力隊員として今月26日に派遣される和歌山市在住の2人が、松本さんとともに尾花正啓市長を表敬訪問した。2人は、マダガスカルに小学校教育支援で派遣される池尾穂美さん(24)とエチオピアにテニス指導者として派遣される林佑季さん(39)。 池尾さんは大阪府内の公立小学校での勤務経験をいかして現地の学校で教科指導のアドバイスを行う。「小学6年生の時から海外で子供たちに向けて活動する人にあこがれていた。今なら助言ができると思い応募した」と話した。 林さんは、バングラデシュにテニス指導のために派遣された経験がある。「求められている場所に行き教えることができることにやりがいを感じている。多くの経験を積みたい」と意気込みを語った。 尾花市長は「協力隊で得られた経験をふるさとに生かしてもらいたい」と激励した。JICAによると、26日時点で、県内からは2人を含めて17人が派遣されていることになるという。