【「ソイア ソイヤ」開発秘話】シート状大豆たん白でプラントベースフードの裾野広げる/昭和産業
――味や食感でこだわった部分は。 山田 2つのタイプで発売した。味付きタイプは、塩味とうま味を付与し、大豆の味が分かりにくくしている。どのような料理でも使える汎用タイプで、肉の代わりに使うこともできる。もう1つのプレーンタイプは、大豆の味が好ましいとポジティブに捉えた。大豆ミート特有のにおいをネガティブに捉えると、大豆臭は抑えるというマスキングの目線になりがちだが、料理によっては活かす方向もあると、村田氏から提案があった。 従来の粒状大豆たん白の製造ラインにプラスアルファの装置を導入し、繊維状のしっかりとした食感になるようにした。 草野 やはりおいしくなくては駄目なので、さまざまなアイデアを練り、村田氏からアドバイスをもらった。 バー状のPBFはどう使うか正解のない商品なので、プロの視点からの気付きがあり、開発視点でメニューのバリエーションが広がった。例えばかりんとうは全く考えてなかったが、こういう風に使ったらどうかとアイデアをもらえ、さまざまなものに使える食材と言えるようになった。1つの素材で、肉の代わりはもちろん、野菜の炊き合わせからエスニック、コースの締めまで提案できる。おやつやおつまみまでも広がる。 ――注力する販路について。 山田 業態としては、外国の旅行者の多いホテルやレストラン、カフェなどが対象だ。和食と相性がいいことがわかっている。和食を楽しみに来日する外国人が多いのでチャンスだ。 草野 大阪・関西万博とインバウンドは火がつくポイントだ。日本に滞在する中で、食は切っても切り離せない。関西経済連合がピクトグラムでメニューにアレルギー表示を掲載する取り組みを行っているが、そういった取り組みが広がれば外食市場も活性化する。
食品産業新聞社