【全米1位】約30人を容赦なくディス!エミネム“最新アルバム”の最狂っぷりを徹底解説
① ジャ・ルール(ラッパー)
エミネムファンに広く知られていることですが、ジャ・ルールとはエミネムの全盛期の頃から互いにディスりあっている仲。今回の新アルバムでスリムが戻ってきたことによって久しぶりにジャ・ルールをディスるという身内ネタ的な要素を含んでいるわけなのです。 ちなみに、今回も相変わらずジャ・ルールの身長が低いことをけなしています。
② R・ケリー(シンガー)
R・ケリーに関してはご存じの方も多いかもしれませんが、児童ポルノなどで有罪になり現在服役中です。クラブやラジオ、公共の場などでR・ケリーの曲を流すのはタブーだという暗黙の空気が世界中に漂っているのも現状です。 ケリーの事件は2000年代初期に注目をされていたこともあり、スリムがまだあの頃の意識のまま、現代に来ていることを示すカラクリとしてディスをしている一面もあります。 最近のアメリカではケリーが行ったような犯罪に対してさらに厳しくなってきており、少しでも児童ポルノを匂わせるアーティストをエンタメ業界から遮断する「キャンセルカルチャー」と呼ばれる社会現象まで起こってます。 それに一番関わってる若い世代が「Gen Z(Z世代)」ですが、エミネムの別人格であるスリムは、まさに問題発言を連呼するキャラクターですので、Gen Zに対する宣戦布告をアルバムのあちこちに散りばめているのです。 これは「俺もキャンセルしてみろよ!」という喧嘩を仕掛けているのはもちろん、「発言の自由」が蔑ろにされてきている最近のアメリカ社会のあり方へのアンチテーゼとしての意思も入っていて、結構深みも持たせているディスりなのです。
③ キャンディス・オーウェンズ(保守系の政治評論家・活動家)
今回のアルバムではポリコレ系への発言も多く、ほかのラッパーがあまりやらない「ラッパー以外をディスる」行為もスリムならでは。このキャンディス・オーウェンズ氏はアメリカでも結構珍しく、黒人系の女性ながらも、かなり保守系の政治評論家であり、毒舌ではっきりと自身の主張を述べることで有名になった人です。 簡単に説明すると「黒人なのに黒人にとって不利になりそうな発言や行動を取ってしまう人」というイメージがついている女性です。世界的なHIPHOPアーティストであるカニエ・ウエストと一緒に「White Lives Matter(白人の命も大事である)」と書かれたTシャツをパリの大きなファッションイベントで着用して論争を生んだこともありました。 白人であるスリムが今回のアルバムで、そんなキャンディスに対して「自分が黒人であることを忘れている」などと問題発言を歌っていますが、こうした面でも、上記で述べたキャンセルカルチャーに喧嘩を売ってしまっているわけなのです。