「私のレーンは、私しか走れない」相川七瀬が語る、親が自分の人生を歩むコツ
ーーお子さま自身の生き方を尊重したことで、自分にも余白が生まれたということなんですね。しかし、自身のスペースができたとして、そこに入れるものはどうやって見つけたんですか? 日々生まれる「なんで?」「行ってみたい」「会ってみたい」「やってみたい」といった『Do』の感覚を潰さないように、生きています。 よく「自分の『好き』が思い出せない」といろいろなかたから相談されます。でも、些細(ささい)なことでいいんじゃないかな? って思っていて。あのお店のランチを食べにいきたいとか、好きな俳優さんがいるならその人の映画を見にいきたいとか、小さな欲求は毎瞬毎瞬起こってくるじゃないですか。 そういう声に耳を傾けるというか、自分に丁寧に接するということが、自分の好きに気付きやすくするんじゃないかな? って。だから、自分を無視しないことが大事だと思っています。 ーー自分を無視しない。ちなみに、最近叶えた『Do』はありますか? 本当に小さいものからたくさんあるんですけど..……(笑)。ずっと、本の断捨離をしたいと思っていたんですよ。でもツアーもあるし時間がなくて。ようやく重い腰を上げたら、たった30分で終わって、もっと早くやればよかった! って。 以前は、確かに存在したんですよ、本を整理する30分を捻出(ねんしゅつ)できないと思っていた自分が(笑)。もう、「このたった30分、これまで人生にはなかったですか? 携帯を触っている間とか?」って自問自答しました。人生もこういうことだよなと実感しましたね。
50歳、もう自分から目を背ける年齢ではないから
ーー相川さんは、ご自身が幸せでい続けるためには何が必要だと考えますか? ……難しい質問ですね。幸せを感じるのは自分だから、自分の心の健康かもしれないですね。感受性が鈍ったり感性が衰えたりすると、悲しみや痛みはすごく感じるけれど、ハッピーなことに鈍感になっていく気がして。 実際は、人生はハッピーなことのほうがあふれていると思うんですね。ネガティブに引っ張られる時は感度のチャンネルが違うのかなと。そう思うと、心が健康でいられる状況をつくり出すことが大事かもしれないですね。 そのために、日々たまっていくものをリリース(解放)していくことを意識しています。生活していると荷物もそうだけど、足していくことばっかりになっちゃうから、なるべく引き算で、なるべくシンプルでありたい。 ーー具体的にはどんなことをされているんですか? 運動はしていますね。1日のなかで消化できない感情があるとしたら、ネガティブにとらわれている思考と距離を置くために運動をして、一瞬忘れる。そうして改めて自分はどう思ったのか? をもう一度考えてから、リリースしています。 ーー物事との距離の取り方も考えていらっしゃるんですね。 とにかく、自分のことには感度高く! という感じですね。