「私のレーンは、私しか走れない」相川七瀬が語る、親が自分の人生を歩むコツ
ーー難しい質問にもかかわらず、ご自身の考えを言語化できていること自体がすごいなと感じるのですが、それは意識されているんですか? 自分の感情を言語化することは、かなり意識していますね。言語化できないものがあるとしたら、「これは言語化できない」という言語化をします。 ーーそれは、自分の感情を適当に表現したりごまかしたりしないということですよね。 そうですね。感受性を言葉に落としていかなければならない音楽の仕事をしていますし、大学院は「自分はどういう意味でこの言葉をここに引いてきたのか?」と一つひとつの言葉に責任を持たなければならない環境なので、かなり意識はしています。 ーー自分自身の内面と向き合うのは、苦しくないですか? 苦しいです。けれど、もう50歳になりますし、自分から逃げる年齢ではないなってちょっと思っていて。自分の苦しいものから目を背けて逃げていられるほど若くないぞと思うと、じゃあなぜ今苦しいんだろう? なぜハッピーに感じるんだろう? と考える。それによって、自分の人生によりよい選択をしたいなって思うんです。 (聞き手/文:飯室佐世子 写真:テラケイコ)
プロフィール 相川七瀬さん 1975年生まれ。大阪府出身。20歳「夢見る少女じゃいられない」でデビュー。人気絶頂の26歳で第一子を出産、現在23歳・17歳・12歳の3児の母。子育ても一段落した中で、歌手活動に加え大学での学び直しを決意。高卒認定を取得後、45歳で國學院大学に入学した。3年次には、成績優秀者として評価され、2024年卒業 第132期卒業生総代に選出。2024年からは國學院大学大学院に進学、民俗学を専攻している。