「私のレーンは、私しか走れない」相川七瀬が語る、親が自分の人生を歩むコツ
「相川七瀬としてではなくて、母親ではなくて、私としてどう生きていきたいか?」 歌手業・母親業に加えて45歳で大学に入り、2024年からは大学院に進学した相川七瀬さん。 多忙な中、守るべきこともたくさんある中で、どう「自分の人生」を生きているのでしょうか?
誰もがみな、自分のレーンを走っている
ーー相川さんは、ご自身の目標を立てる時にどのくらい未来を見ているんですか? 向こう10年は見ていますね。どこで何をしていたいかなと大きなビジョンを描いて、逆算していくタイプです。 ーーご自身の未来を考える時、その中にお子さまの存在はどれくらい意識するのでしょう? 自分の道を考える時は、子どものことは一切考えないです。他の人もいない。私一人で考えます。子どもがいるという事実はもちろんあるけれど、自分の人生は子どもとずっと歩む道ではない、私の道ですからね。 同様に子どもは子どもの道を持っているとも思っています。誰より応援するし心が疲れたらケアをしたい。だけどすぐ隣のレーンで伴走はできても、子どものレーンを私が代わりに走ってあげることはできないから、「がんばって! あなたの道だよ!」と見守りたいですね。 ーー近くにはいるけれど、走るレーンは別。 「親だから、お母さんも一緒にがんばる!」といって子どものレーンに入ってしまうと、お互い健康的ではいられない気がするんです。この判断が正しいかどうかはわからないですけれど、今の段階で私はそう思っています。
子育てが落ち着き、自分の空いたスペースに何を入れるか?を考えた
ーーすると、相川さんご自身は、どういった優先順位でご自身の過ごし方を決めているんですか? それも視覚的にとらえているんですけど、個人にはそれぞれ、自分の周りにぐるりとスペースがあると思うんです。その中には、その時々で入っているものが違うと思っていて、デビューしたてのころはほとんど仕事で埋まっていただろうし、子どもが生まれたばかりの時はほとんど子育てで埋まっていたはずなんです。 優先順位は常に変わっている中で、今は子育てが落ち着いてスペースが空いたから、そこに何を入れようかな? と考えて、「やり直したいことはなんだろう?」って自分の人生、親としてじゃなくて、相川七瀬としてじゃなくて、「私自身がやり残したものはなんだろう?」って考えて、「学びだ」と見つけました。 いつまでも自分のスペースに子どもを全員入れていたら、この選択は考えられなかったと思いますね。 ーーどのタイミングで、子育ての割合が減っていったんですか? 意図的に減らしたというよりは、子育ての中で、子どものスペースにも新しいものを入れられる余白をつくりたいなと試行錯誤してきたんですね。とにかくズカズカ入っていかないように、意識していました。そのおかげですかね、自分のスペースにも空間が空いた気がします。