GRスープラが生産終了 最終モデルのA90ファイナル・エディションは限定300台のMTモデル
GT4マシンの技術で走りの性能をさらに向上
トヨタが、スープラとしては4代目となる「GRスープラ」の特別仕様車である「A90ファイナル・エディション」の詳細を発表した。2019年に登場した現行型は、このモデルをもって、生産を終了する予定だ。 【写真10枚】生産終了が決定した4代目スープラこと、「GRスープラ」の最後を飾る特別仕様車として登場した「A90ファイナル・エディション」の詳細画像をチェック ◆GT4マシンを彷彿させるエクステリア エクステリアは、トヨタ・ガズーレーシング・ヨーロッパ(TGR-E)が空力開発を担当。GT4マシンを彷彿させるスワンネック形状のカーボン製リア・ウイングをはじめ、カーボン製のフロント・スポイラーとカナード、センター・フラップを装備。脱着式インナー・ダクト付きのカーボン製ボンネット・ダクトも備える。 ◆GRカラーに仕立てられたインテリア 運転席側に赤色、助手席側に黒色を用いてGRカラーに仕立てられたインテリアには、アルカンターラのパッドを用いる赤で彩られたレカロ製カーボン・フルバケットシートのポディウムCFを装着。ステアリング・ホイールや内装トリムなどにもアルカンターラを多用し、スカッフ・プレートはカーボン製の専用品とした。 ◆3.0リッター直6ターボは435psへと出力アップ エンジンは、ベースとなったRZの3.0リッター直6ターボの吸気経路の見直しや低背圧触媒の導入、エンジン制御最適化により、48ps/70Nmアップとなる435ps/570Nmを発生。変速機は6段MTとなる。 エンジン・オイルパンにはバッフルプレートを追加し、旋回時のオイル偏りを防止する。ラジエーター冷却ファンの強化やサブ・ラジエーターの追加、ディファレンシャルギア・カバーの冷却フィン大型化により、冷却性能も向上。排気系には、アクラポヴィッチ社のチタン製マフラーを装備した。 ◆GT4マシンと同じKW製のサスペンションを装着 サスペンションは、GT4マシンと同じくKW製で、ダンパーは伸び側16段、縮み側12段の減衰力調整式。前後とも強化スタビライザーを装着。キャンバーの角度も見直した。電動パワーステアリングの制御最適化も実施している。 アルミ製のリア・サブフレームはGT4マシンと同じリジッドマウント化。フロントのロア・アームには強化ゴムブッシュ、コントロールアームにはピロボール・ジョイントを採用している。また、フロントではカウルブレースの強化と床下ブレースの追加、リアでは床下ブレースの構造を変更するなどボディも強化。室内には強化クロスバーをラゲッジに装着した。 ◆タイヤは10mmワイドなミシュランPSカップ2 ブレーキは前後ともフローティング構造のドリルド・ディスクで、フロントはブレンボ製19インチと高摩擦係数のパッドを組み合わせる。ホースは膨張を抑えるステンレス・メッシュとした。ホイールは前19インチ、後20インチで、タイヤは通常より10mmワイドなミシュラン製パイロットスポーツ・カップ2を履く。 導入地域は日本と欧州で、販売台数は全地域で300台の限定。発売時期は、欧州では2025年春、日本は検討中となっている。価格も未発表だ。 文=関 耕一郎 (ENGINE WEBオリジナル)
関耕一郎