“敗戦国”から“戦勝国”へ?激動の世界で日本は勝ち組になれるか…櫻井氏・宮家氏と議論
日本が“勝ち組”に入るべき理由とそのために必要なこと
竹俣紅キャスター: 日本が勝ち組になるために求められる条件、宮家さんのお考えが「強い政府」「軍事力の適切な使用」。 宮家邦彦 キヤノングローバル戦略研究所理事特別顧問: もちろん国民に支持されており、強いリーダーがいて明確な国家目的・国家戦略があり、それを国民にちゃんと説明できるような政府が強い政府。 その上で、第2次大戦のときにいろいろミスがあったが、一番大きかったのは軍事力をうまく使えなかったこと。日本の個別的な目的ではなくあくまで世界全体、地域の平和のために使うのだと説明できれば信頼は増す。 日本は軍事力をちゃんとコントロールできる安心して付き合える国だ、という形が一番大事。 櫻井よしこ 国家基本問題研究所理事長: 私達は負けたために、世界で最も愚かな憲法を約80年間続けている。日本の歴史を学ぶことも一時期禁じられていた。この国に生まれたことがどんなに素晴らしいことかわかっていない人がとても多い。これは民族の悲劇。だから必ず勝ち組にいなければいけない。 強い政府とは強くて賢いという意味。自国の強みと弱みを全部知り、国民の皆さんとともにどう強みを発揮するかという発想を全ての政策に反映させていく政府。 また国家を支える二つの車輪は経済と軍事力。日本人はとても優秀であり、世界でも一流の経済・産業を築いた。だが禁じられてきた軍事力を加速度的に強くしなければいけない。 反町理キャスター: トランプ政権、それ以降もアメリカが自国第一主義で走るとすれば、日本は中国や北朝鮮を抜きにしたアジアにおける安全保障体制や経済連携のリーダーとなれるか。 安倍さんのときに目指そうとしていたと思うが。 宮家邦彦 キヤノングローバル戦略研究所理事特別顧問: TPP11(環太平洋連携協定参加11カ国による新協定)という成功体験の安全保障版を考えなければ。 トランプさんが介入に消極的だった場合、恐らく第2次大戦前のイギリスなど一部のヨーロッパ諸国やアメリカが全然動かない状況になると思う。 櫻井よしこ 国家基本問題研究所理事長: TPPにはイギリスが入り、日本発の国際的な枠組みとして非常にいい方向に行っていると思う。日本とEUのEPA(経済連携協定)も。ヨーロッパ、そしてアジアは中央アジアの方まで含め多層的にカバーできている。 当面大事になるのはトランプさんとの付き合い方だが、例えば、造船業で不安定な韓国に代わり日本がアメリカをカバーするような提案もできる。日本の造船業が蘇れば日本の国益にもなる。 トランプさんは恐らくこうした具体的な提案を喜ぶタイプだと思う。そのように日米関係を強固にしていくこともすごく大事。 (「BSフジLIVEプライムニュース」12月24日放送より)
BSフジLIVE プライムニュース