御大がおおいに怒る!! 燃費問題にガソリン価格……世の中筋の通らないことが多すぎる! 三本和彦の「多事争論2013」【10年前の再録記事プレイバック】
■自動車取得税廃止の代替財源に軽自動車増税か?軽自動車をいじめちゃいけません
消費税が10%になる2015年のタイミングで二重課税の批判があった自動車取得税の廃止が決まっていますが、その代替財源として軽自動車税の引き上げが検討されているそうです。 役人というのは小賢しいもので、取りやすいものから取ろうと考えます。TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉でもアメリカから軽自動車が優遇されすぎているという批判があることだし、「ちょうどいいや」というところでしょう。 これにかみついたのがスズキの親分、鈴木修会長です。 「(軽自動車税の増税は)弱いものいじめではないか」と批判していますが、本当にそうだと思うね。確かに軽自動車税は自家用で年間7200円しかしませんよ。1.5Lなら年間3万4500円だから約5分の1です。でも田舎に行ってご覧なさい、ボクのようなジジイやババアしか住んでいない過疎地域がたくさんあります。 そこでは軽自動車は本当に足なんです。日々の買い物や通院、年金を受け取る郵便局にもクルマがないとどうにもならないんです。極端なはなし、屋根があって走ればいいという人もいるでしょう。だから値段が安くて維持費のかからない軽自動車が選ばれるんですよ。 日本の役人どもは、アメリカのTPPの役人を連れて、過疎の地域に行き日本で軽自動車がどんな使われ方をしているか見させりゃいいんだよ。 そうすれば、「弱いものいじめ」が最も恥ずべきことだと教育されている正義感の強いアメリカ人さんにかぎって、軽自動車の増税を求めたりはしなくなると思うけれどね。
■まとめにかえて
日本人は忘れっぽく、都合の悪いことには目をつむりたがるものですから、どんどん問題が先送りされてしまいます。東京オリンピック開催決定を機会に、少し欧米人に見習ってものごとを直視し、筋の違うことにはちゃんと「おかしい」といえるようになりたいものです。 (写真、内容はすべてベストカー本誌掲載時のものです)