乗客の中には3月に結婚控えていたカップルも、チェジュ航空事故、韓国で指摘される複数の「問題点」
12月29日、韓国南西部、務安国際空港で起きた大惨事に、韓国社会は沈痛した雰囲気に包まれている。 【写真】滑走路の短さが指摘されていた務安国際空港 着陸に失敗し、爆発した飛行機には、乗客175名(韓国人173人、タイ人2人)、乗務員6人を含む181人が搭乗していた。助かったのは最後尾にいた乗務員の男女2人のみ。179人が犠牲となった。 同機は韓国とタイを結ぶクリスマスチャーター便で、今月8日から就航していた。タイ・バンコクを午前1時30分頃に経ち、務安国際空港には、8時30分に到着する予定だった。
■3月に結婚する予定のカップルも 乗客のほとんどは、空港からアクセスのよい周辺地域に住む人々だったと伝えられた。両親の傘寿の祝いにと一家9人でタイ旅行に出かけた家族、昇進を祝い、忙しくなる前に家族で旅行に行こうと乗り込んだ家族、なかには3月に結婚式を控えていた2人もいた。 娘の父親は、韓国メディアの取材に嗚咽を堪えながら、「私の末娘です。3月9日に結婚式を控えていたのに。お父さん行ってくるねと言って新郎と一緒に旅行に行きました。とても、とても苦しい……」と最後は言葉にならなかった。
乗客と空港に迎えにでていた家族とのやりとりも公開された。 「ちょっと(上空に)いる。鳥が翼に挟まったみたい」→「えっ」→「着陸できない」→「いつからそうなの」→「ちょっと前。遺言残さないといけないかな」‥(通信社「NEWS1」12月29日)。 このメッセージが交わされたのは午前9時。管制塔がバードストライク(鳥の衝突)の注意警報を送ったのは午前8時57分。そして、その2分後、機長は「メーデー(緊急信号)」を叫び、胴体着陸を試みたが、速度を落とせないまま、滑走路を外れ、ローカライザー(着陸誘導安全施設)にぶつかり機体は爆発した。午前9時3分頃だった。形として残ったのは、機尾のみ。損傷が激しく身元が確認できない遺体も多く、DNA鑑定が行われていると伝えられた。