1部挑戦へ、もっとタフに 2部2季目の九州が12・21開幕戦へ「自分たちが信じるものに立ち返れるか」伝統堅守&攻撃強化【ラグビーリーグワン】
ラグビーのNTTリーグワンが21日開幕し、2部(D2)の九州電力(九州)はベスト電器スタジアム(福岡市)で釜石との初戦に臨む。 ■「ラガーマンの車って感じですね」福岡堅樹さんが新車紹介【写真】 昨季初昇格した2部で6チーム中5位だった九州は、1部(D1)との入れ替え戦に進出できる2位以上が目標。「BE TOUGHER」を掲げて伝統の堅守を磨きつつ、昨季D2最少の162得点に終わった得点力の強化も目指している。 これまでの九州は粘り強いタックルで猛攻を耐え、ロースコアに持ち込むのが金星奪取のパターンだった。今村友基ヘッドコーチ(HC)は「強みとして残しつつ」と前置きしつつ「勝っていくと考えると、やっぱりトライを取る力が足りないと昨季は感じた」と振り返る。 攻撃の幅を広げ、厚みを持たせるためのキーマンが、昨季途中から九州でプレーするオーストラリア出身のSHスペンサー・ジーンズと、D1横浜から加入したSO喜連航平だ。開幕戦でスタメン入りしたハーフ団の2人は、ともに仲間の個性を引き出す位置取りやプレーの選択を持ち味とする。 状況判断にも自信を持つ喜連は「これまではずっと守っていたと思うけど、攻める間は相手がボールを持つ時間がなくなる。攻めるマインドがあれば、相手が守りに入ってくれる」と攻めの姿勢の大切さを強調する。スーパーリーグのレッズでプレー経験がある24歳のジーンズは「われわれには才能が備わっている選手がいるので、ミスなく実行できればD1を目指していける。仲間に自信を持たせ、チャンスをものにするアタックをしていきたい」と心がけた。
社業と掛け持ち選手が多く
「BE TOUGHER」には今もチームの約3分の2が社員選手で社業と掛け持ちしている現状へのタフさも求めている。開幕が近づく中でも、社員選手は週2回、午後4時半までデスクワークなどをし、午後6時からの練習に臨む。今村HCは「それを勝てない言い訳にはしたくないし、タフさを楽しめる集団になりたい。このチームは『やっとラグビーができる』と、小学生が放課後はしゃいでいるような感覚でやるほどモチベーションが高い。見ていて勝たせてあげたい」と望む。 8チームに増えたD2でD1との入れ替え戦に進めるのは上位2チーム。D1で強豪撃破の経験がある喜連は「相手に関係なく、自分たちが信じるものに立ち返れるかが大事」と、司令塔として堅守と攻守の切り替えを促し、勝利を積み重ねる覚悟だ。(末継智章)