リバースモーゲージに積極的・消極的な銀行はどこ? 東京の地方銀行が力を入れている理由とは
銀行がリバースモーゲージに積極的な理由
リバースモーゲージに積極的な銀行と消極的な銀行があります。その理由を解説します。 (1)高齢者までローン対象の裾野が広がるから 現役世代が対象となる住宅ローンと違い、リバースモーゲージはそもそも高齢者がメインターゲットです。つまり「高齢者にもローンが売れる」ということになります。高齢化社会が進む中で、高齢者を対象に商売できるのは大きなメリットです。 (2)利息でもうかる仕組みがあるから リバースモーゲージはカードローンと原則同じ仕組みで、「利用中は利息払いだけ」、あるいは「利息も元金に加え、利息払いなし」という形態です。 リバースモーゲージを利用する高齢者は、当然というべきかお金を必要としている人や、お金に困っている人なわけで「一度、融資枠を作ればどんどん使うし、利息もどんどん増える」パターンが多いので、利息でもうかる仕組みになっていると言えます。 (3)融資金の「取りっぱぐれがない」から 「返済期限は利用者が死亡するまで」というのがリバースモーゲージの基本ですが、死亡後すぐ、自動的に終わるものではありません。 住宅ローンなら団体信用生命保険で死亡保険金によりほぼ自動的に融資金が完済されるので、文字通り「死んだらローンも終わる」といえますが、リバースモーゲージではいくつかの選択肢があります。 まず、基本的に「担保になっている不動産を売って返す」というものですが、こちらは融資利用者=担保不動産の所有者が基本なので、所有者が死亡したら売却手続きを通常の形式で進めることができません(売却手続きをする所有者がいないので、行為をする当事者もいないことになる。通常は相続して受け取った新所有者に名義変更してから売却手続きとなる)。 しかし、リバースモーゲージでは最初からこうした死亡後の手続きを想定して契約をします。こちらは、いくつかの選択肢を用意して融資金が返済不可能にならないように対策をしてあるとも言えます(前述の「利用者が死亡した場合の手続き」を参照)。 たとえば、将来の相続人予定者である子供などに対し、リバースモーゲージの契約前にその内容を説明し、相続発生時には売却などの手続きに協力する旨の署名をもらうなどが挙げられます。 要は利用者が死亡しても融資金を取りっぱぐれることがない設計になっているので、ローンを獲得したい銀行ではリバースモーゲージへ積極的になるというわけです。