試合中に嘔吐、動悸…両親に告げた「終わるかも」 現役Jリーガーが苦悩、ストレスと向き合う今【インタビュー】
カターレ富山のMF坪川潤之が告白、ストレスと向き合いながら戦うプロ生活
SNSを通じ、自らの弱みを公にするJリーガーがいる。J3カターレ富山でプロ5年目を迎えた坪川潤之は大学時代、原因不明の吐き気や動悸に見舞われ、その症状を抱えながら、念願のプロ入りを果たした。今も完治はしていない。それでもある出会いをきっかけに笑っていられる日々を送る現在に迫った。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・橋本 啓) 【写真】J3富山「攻めてる」 まさかの”Xライン”ユニフォーム「めっちゃカッコいい」 ◇ ◇ ◇ 「ストレスに弱いJリーガー」――坪川のX(旧ツイッター)を見ると、真っ先にこの文字が飛び込んで来る。紹介文には「試合前、練習中でも吐き気してます。大学時代には吐き気の治療に専念しすぎて単位落としまくってます。体調崩すと扁桃腺すぐ腫れます。それでも毎日闘ってます。だからメンタルは強いかもです」と、赤裸々に綴る。 北海道生まれの27歳プロ5年目。高校時代は全国大会の常連校として知られる矢板中央高(栃木県)で過ごし、東洋大学に進学した。坪川がXの紹介文に綴ったような症状に悩まされたのは、大学2年生の夏頃だった。スタメンでのデビュー戦。大学のトップチームでプレーする重圧に晒されたなかで、ハーフタイム明け、後半戦が始まったタイミングで、身体に違和感を覚えた。 「いつもの自分の身体じゃない状態っていうのを感じて。後半始まったら、動悸がより強くなって後半始まって15分くらいで交代したんですけどなんかおかしいぞと。そこからトレーニング中にめまいがしたり、嗚咽が頻繁に起きたりするようになって、ついには試合中に吐いてしまって……」 試合中やトレーニングの最中に嘔吐し、脱水症状も引き起こした。水分不足で足が攣り、思い切ってサッカーに打ち込めない日々が大学3年生になっても続く。「これはなんとかしないといけない」。チームメイトに同じような症状を持つ者は見当たらず、悩みを打ち明ける勇気はなかった。そこで総合病院へ出向いたが、血液検査をしても異常はなし。メンタル面の問題だとうっすら分かってきた一方で、「根本的な原因は見つからなくて、大学3年生の最初の時期は悩みながらプレーしていました」と苦悩を明かす。 さすがに迷惑がかかると思い、大学の監督に症状を打ち明けた。 「僕、今こういう状況でプレーしていますって。1つ対策として、試合中にガムを噛ませてほしいと。大学生だったのでガムを噛むのがイメージ的に良くないっていうのもあって許可を取って、それが1つ気を紛らわせるっていう意味ではいいアイテムだったかなと。ただ大学生の間は特に改善はなく、いい時もあれば症状が頻繁に起こる時もある感じで。それでも監督に打ち明けたことで気持ちが楽になったので、残りの期間は思い切ってプレーできました」