【行正り香さんにきく〝50代。これからの住まい〟に思うこと〟⑤】50代になったら物を捨てるだけではなく、むしろ何を残していくかを考えることが大事
また、我が家には円柱が2本ありますが、これはもともとは配管。普通リフォームする際、配管は隠すと思いますが、あえて隠さずに保護材で囲って円柱にして見せるという方法にしました。このように円柱にしたことで、空間の印象は大きく変わったのです。 もちろんこれは我が家の場合です。建物によって構造が違うので、リフォームのときにできることは家それぞれ違ってきます。 ですから『私の家ならどんなことができるかな』と一度じっくり探してみるのもいいかもしれません」
◆フローリングよりカーペットがおすすめ。なぜかというと
「あとは年齢を重ねたときの住まいにおすすめなのは、フローリングよりカーペット。 滑りにくいので転倒の危険が減るし、弾力があるので、万が一転倒したときにケガのリスクが減ります。それに、裸足で歩いたときの優しい感触…。 私はカーペットの上でそのままヨガをしたり、思い切り寝っ転がったりといろいろなことをしています。この心地よさに慣れたら、もうフローリングには戻れません。 カーペットは汚れが気になる、掃除の手間がかかるという方もいるかもしれませんが、皆さんが思っているほど手入れは大変ではないですよ。私はかなりの量の赤ワインをこぼしてしまったことがありますが、拭けばきれいになります。 フローリングをカーペットに替えられないお宅の場合は、ラグを敷くだけでも足の快適さが格段に上がります」
リビングとガラスブロックで仕切られたライブラリー。 「この部屋は窓がひとつしかなく、暗くなりがちだったのですが、壁をガラスブロックにしたことでリビングの光を生かせ、明るくなりました」 また、窓の左横にある柱には鏡を貼り、部屋に広がりを生む工夫が。 「大がかりなリフォームをしなくても、こうして鏡をつけるだけでも部屋の印象は変わりますよ」
棚に本を並べるときもひと工夫。 「ごちゃごちゃとした印象にならないよう、背表紙の色をそろえて並べます。そしてこまめに並べ方を見直し、不要になった本は抜いたりしています。 残しておきたい物は何か、そして何よりも『こんな所に住めたらいいな』とかつて憧れた場所や家を思い出し、どうしたらそれを今の暮らしに取り入れられるのか考えてみませんか。 〝人生の後半戦を自分が心地よく暮らせる家〟へと、一歩ずつ近づいていくはずです」
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