【行正り香さんにきく〝50代。これからの住まい〟に思うこと〟⑤】50代になったら物を捨てるだけではなく、むしろ何を残していくかを考えることが大事
そのため、我が家では持ち運べる小型のテレビを扉の中に収納し、必要なときに出して使っています。映画など大きな画面で楽しみたいものを観るときはプロジェクターを使いますが、これはすごくいいですよ。 窓のロールスクリーンを下げてスクリーン代わりにしていますが、昼でもちゃんと観えますし、なんといってもうちのプロジェクターはテレビより音質がすごくいいんです。音響システムがハーマンカーマンの製品なので、まるで映画館にいるみたいな感覚に。 プロジェクターは小型の物もあるので、狭い家ほどおすすめです。そしてテレビをなくすとテレビボードのようなテレビを置くための家具や場所が不要になるので、その分空間に余裕が生まれます。 もし『やっぱり大きなテレビは必要』という場合は、部屋に入ってすぐ目につく位置ではなく、部屋の死角などできるだけ目立たない場所に置いてみるだけでもテレビの存在感がぐんと抑えられます」
同じようにエアコンも、部屋の隅など目立たない場所に設置することで、できるだけ存在感をなくしている。
「私はジャズが好きなので、音にこだわって大きなスピーカーを置いていますが、こちらはスピーカーのコードが目立たないようにカーペットの下を通すほか、壁のコンセントが目立たないようにオブジェやグリーンでカバーしたりしています。 あとは電子レンジも棚の中にコンセントを設置してもらい、扉を閉めたら目に入らなくなるようにしています。冷蔵庫は大きいので置き場所を工夫するといっても限界があるため、前回お話ししたように壁と同じ色に塗ってもらい、周囲になじむようにしました。 このように、ひとつひとつ存在感が出ないよう工夫しています」
◆天井に曲線を取り入れる、柱を丸くするなど「脱無難」で空間に個性を持たせる
行正さんが自分らしい空間をつくり上げるために選りすぐった好みの家具を置き、家電の存在感をなくすほかに心がけていることはまだある。 「それは無難にしすぎないということ。 例えば部屋を見渡すと、部屋って床、天井、柱といった縦横の直線でできていることが多いですよね。そこに丸みのあるものを取り入れるだけで、やわらかい雰囲気になり、空間に個性が出てきます。
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