なぜ転落…。欧州の「消えた天才」サッカー選手10人。世界中から注目を浴びた神童、名将のお墨付きのFWも
MF:ラヴェル・モリソン(イングランド/ジャマイカ) 生年月日:1993年2月2日 主な在籍クラブ:マンチェスター・ユナイテッド、ウェストハム、ラツィオ、 現所属クラブ:無所属 マンチェスター・ユナイテッドU-18は2010/11シーズンに若手選手の登竜門であるFAユースカップを制した。ポール・ポグバやジェシー・リンガードら、後にクラブや代表で主軸を担う選手たちがいた中で、このチームの中心となっていたのがラヴェル・モリソンである。 当時チームを率いていたサー・アレックス・ファーガソン監督も「彼がその世代で見た中で最高の選手だと思った」と語ったように、モリソンはリンガードやポグバらよりも才能を高く評価されていた。しかし、マンチェスター・ユナイテッドのトップチームで活躍する前にウェストハムへと移籍。2013/14シーズンにはサム・アラダイス監督の下でチームの年間最優秀ゴールを決めるなど、その才能の片鱗を見せつけたこともあった。 しかし、その後は素行の悪さも相まって伸び悩む。これまで計6ヶ国、14のクラブでプレーしていることが、自らの安定の地を見つけられなかったことを証明している。そんな中でもマンチェスター・ユナイテッド時代の同僚であるウェイン・ルーニーは彼を高く評価しており、ダービー・カウンティとD.Cユナイテッドで彼を重宝していた。 今季もルーニーがシーズン途中からバーミンガム・シティを指揮したことで3度目の共闘が実現するかと思われたが、彼がわずか数カ月で解任されたことで実現せず。その一方で昨年12月に2022年に起こした問題で逮捕されるなど、素行の悪さは変わっていない。今年2月に31歳の誕生日を迎えた神童は現在無所属であり、次なる新天地を見つけることができるだろうか。
FW:ジョーダン・アイブ(イングランド) 生年月日:1995年12月8日 主な在籍クラブ:リバプール、ボーンマス 現所属クラブ:エブスフリート・ユナイテッド(イングランド5部) ジョーダン・アイブのリバプールでの活躍は印象深かった。ブレンダン・ロジャーズ監督の下でトップチームに定着した快速WGはユルゲン・クロップの監督就任後も定期的に出場機会を確保。2015/16シーズンの最終節にはプレミアリーグ初ゴールを奪うなど、期待の若手選手として存在感が増していた。 そんな勢いのある若手選手に目を付けたのがプレミアリーグ昇格2年目のボーンマスだった。当時のクラブ史上最高額を更新する1800万ユーロ(約25.2億円)の移籍金でアイブの獲得に成功した。しかし、1年目の2016/17シーズンは25試合の出場で0得点0アシストに終わるなど鳴かず飛ばずの成績に終わり、好調な時期もあったが、それも長くは続かなかった。 契約満了に伴い2020年夏にダービー・カウンティへと移籍する。しかし、トップチームでの出番にほとんど恵まれず、2021年1月には「うつ病に苦しんだことで自分自身がどこか暗い場所にいると気がついた」と、うつ病を患っていることを公表。過去4年間、病気と戦ってきたことを明かした。 その後、ダービーを退団後にトルコのアダナスポルと契約するも半年で退団。そこから1年以上フリーの状態が続いたが、昨年10月にイングランド5部に所属するエブスフリート・ユナイテッドに加入した。リーグ戦では途中出場1試合、カップ戦では2試合の先発出場とあまり試合には絡めていないが、クラブに所属して試合に出るのは彼のキャリアの再起において重要な一歩だ。